「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2020/02/26 11:03
一昨年亡くなった樹木希林さんは、生前のインタビューで「結婚なんて、わけのわからないうちにしてしまわないと、絶対にできなくなるわよ!」と言っていました。この歳になると、しみじみその通りだと思います。
私は29歳で結婚しましたが、誰と結婚するかは真剣に悩んだけれど、結婚する時に相手の両親のことまで考えた記憶はまったくありません。そこまで心配して結婚する人は20代ではあまりいないでしょう。若いうちは、本人たちさえ良ければ上手く行くと思って、結婚するカップルも多いのではないでしょうか。
けれども、現実には「義理の両親との関係がうまく行かなかったから離婚した」というカップルも存在します。結婚は、相手の家族・親族との新しい関係を築いていくことでもあるのです。
さて、今回は結婚後、義理の両親からの好意を受け取れないとき、どう断ればよいのかというお話です。
たとえば、4月から小学校に入学する孫にランドセルを買ってあげたいと、押しの強い義母から電話がかかってきたとしましょう。
「近所のデパートに○○(子どもの名前)ちゃんが持ったら、すごくかわいいと思う赤いランドセルを見つけたんだけど、買って送ってあげようと思って。まだ買ってないわよね?」と。もし、突然こんな電話がかかってきたら、どうしたら良いでしょうか?
最近のランドセルはカラフルでキャラクターがそれぞれについているなど、本当に種類が豊富です。既にランドセルの下見は済ませていて、娘も「このピンクで好きなキャラクターがついてるやつじゃなきゃイヤ!!」と決めていたものがある場合、子どもの希望と義母の好意の板挟みになってしまいます。
でも、押しの強い義母に、もうランドセルは決めているとは言いにくい。
そういうときにお勧めなのは、自分からは感謝の気持ちだけ伝えておき、後から夫にうまく言ってもらうことです。そのときのポイントは、絶対に子ども(義両親からみたら孫)を主語にして言わせること。
「ランドセルのこと、心配してくれてありがとう。○○が欲しいと言っているランドセルがあって、それを買ってもらえると嬉しいんだけど、どうかな?」と、決して妻を主語にして言わせないように言い含めておくことです。あわせて、「■■(妻の名前)がもう、○○に買ってやるランドセルを決めてるんだよ」と言ったら角が立ち、自分と義両親の家庭のどちらにとってもよくないことをしっかりと伝えておきましょう。
そして、できることならそのランドセルを一緒に義理のお母さんと買いに行きましょう。もし、離れて暮らしているのであれば、ネットで欲しいランドセルを見せて了解を得ましょう。勝手に買って、あとからお金だけくださいと言うより、ずっと良いと思います。
今回はランドセルを例にとりましたが、ひな人形、五月人形といった行事やお祝いごとがあるたびに、こういう問題が発生するかもしれません。でも、そんなときもモノの言い方ひとつで、義理の両親の受け取り方が大きく変わってきます。
どんなときにも義理の両親の顔を立てる言い方を考えれば、いつまでも良好な関係を保つことができるでしょう。
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