日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2020/02/03 09:35
2日の「麒麟がくる」も本木雅弘演じる斎藤道三の凄みが話題になっている。先週の毒殺に続き、守護代斎藤道三によって「操り人形に毒は盛りませぬ」とまで言われた土岐氏とはいったいどういう一族なのだろうか。
土岐氏の出自は清和源氏で、美濃源氏と言われる名門一族の嫡流である。その名字の地は美濃国土岐郡土岐郷、現在の地名でいえぱ、土岐市ではなく、瑞浪市土岐町にあたる。
平安時代末期にこの地に土着して土岐氏を名乗ると、鎌倉時代には執権北条貞時の女婿となるなど有力一族として台頭。室町時代には美濃国の守護を独占、さらに一時は尾張国や伊勢国の守護もつとめるなど、室町幕府を代表する有力豪族であった。
しかし、その力に脅威を感じた将軍が相続に介入するなどして一族の内紛が繰り返されたことから次第に実力を失い、戦国時代には守護代である斎藤氏によって実権を握られていた。
土岐氏の特徴は、その一族の多さである。平安末期から数百年間美濃を支配したことから、一族が美濃各地に広がり、各地の地名を名乗って独立していた。「麒麟がくる」の主人公明智氏をはじめ、大島氏、菅沼氏、妻木氏、蜂屋氏、原氏など、総数は百家を超えるともいわれる。こうした国衆の乱立も、土岐氏没落の一因となった。