「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2019/08/29 15:56
異動や退職で、職場を離れていく人にかける言葉として、もっとも一般的なひと言は「お疲れ様でした」です。ですが、この言葉をかけてもらっても何となく嬉しさや感動に欠けてしまうのは、なぜでしょうか。
【改善前】
お疲れ様でした
ありがとうございました+(具体的な自分の思い)
「お疲れ様でした」は、そもそも目上の人が目下の人をねぎらう言葉として使われています。異動や退職のときに、この言葉をかけられて何となく上から目線で言われているような気がして違和感を覚えてしまうのは、そのためではないでしょうか。
それでは、異動や退職などの場面で上の立場からも同僚からも、さらには、下の立場の人から言われても嬉しい言葉は何でしょうか。私はやはり、「ありがとうございました」だと思います。
「お疲れ様でした」の主語は、相手ですが、「ありがとうございました」の主語は私です。私の思いが込められた感謝の言葉だからこそ、相手の心に響くのだと思います。そしてこの感謝の言葉に、さらにもうひと言加えたいのが、相手に対する自分の具体的な思いです。
このように、相手が自分にとってどのような存在だったのかを具体的に伝えることができれば、きっと心に響く最高のはなむけの言葉となることでしょう。
本連載は、企業の総務・経理・人事向け月刊専門情報誌「企業実務」から一部編集のうえ転載したものです。ご購読・見本誌をご希望、お問い合わせにつきましては下記バナーをクリックしてください(関連会社のサイトに遷移します)。