「華僑」はなぜ、世界のあらゆる場所で財を成すことができるのか──。『華僑の奥義 一生お金に困らない儲けと成功の法則』は、私たちが知らない彼らの思考法や行動原則を明らかにした本。それらは、一般の日本人から見れば非常識、かつ型破りなものばかりです。
著者は、華僑の大物に師事してそのノウハウを学び、起業家として成功を収めている大城太さん。大城さんに、実際、華僑ってどんな人たちなのか聞いてみました。
「華僑の大物」と知り合う方法
──大城さんが「華僑」という存在に興味を持ったのはいつ頃のことですか? また、なぜ興味を持ったのでしょう?
大学生のころにはすでに興味を持っていましたね。当時は世界史の教師になりたくて、各国の歴史や情勢について勉強していくうちに、世界における華僑の存在感が気になってきた。「爆買い」に代表されるような中国人のバイイングパワーが世の中に知られるずいぶん前ですね。
また、お金儲けというと昔から「ユダヤか華僑か」と言われますが、見た目から考えても日本人の私にユダヤ人の真似は到底できない、ならば華僑の真似をしてみようと考えたわけです。
──大城さんが弟子入りしたのは華僑の中でも相当な大物だそうですが、そんな人物には普通知り合えませんよね。
まずはとにかく中国の人と知り合いになろうと思って、国際交流センターに行って、掲示板に自分の携帯の番号を書き込んだりしていました。しばらくすると、それなりにたくさんの在日中国人と出会うことができたのですが、いつの間にか連絡が取れなくなる人や、商売のアイデアと単なる思いつきを混同している人ばかりで、本物のお金持ちが全然いなかった(笑)。
次にどうしたかというと、関西一高級なお店が集まる大阪の北新地に通って、「お金持ちの華僑の人を知りませんか」と聞いて回りました。紹介と噂を頼りに、とにかくいろいろな中国人と知り合いましたが、1年後に、ようやく師匠と出会うことができました。
──すぐに弟子入りできたのですか?
いやいや、2年かかりました。
──2年間も何を?
厳しいテストを課されたんですよ、師匠に。私が商売人として、体一つでお金を稼ぐことができる人間かどうかをテストされたわけです。当時はサラリーマンでしたから、仕事をしながらテストをクリアするのは条件的に厳しくて、時間がかかりました。
もっとも、私が「条件的に厳しい」と考えていたこと自体が、弟子入りを許されない原因でもありました。後で知ったことですが、「条件が揃わないからできない」という言葉を師匠はもっとも嫌っていたようです。
詳しくはお話しませんが、その他にもたくさんの苦労や人間関係のトラブルを乗り越えて、弟子入りを許されました。その時は本当に苦しいと思っていましたが、「苦しいと思うからこそ苦しかったのだ」ということが、師匠の教えを受けたいまではよくわかります。
大胆に行動、迷わず修正
──大城さんが、「これはすごい!」と感じた華僑の考え方や行動を教えてください。
日本人はメリットとデメリットを天秤にかけて、メリットのほうが大きいな、と判断してから動き出しますが、彼らはデメリットなど考えずに、メリットが少しでもあれば即行動します。動いてみないとどっちに向かっているかわからないから、まず動く。
その前提には「うまくいかなかったら修正すればいい」という考え方があります。動いてみて「間違っている」と気づいたら、すぐ修正するのです。彼らには「ここまでやったのに、いまやめるのはもったいない」などという感覚は皆無です。損切りも気持ちの切り替えも非常に速いです。
また、社会一般で、いわゆる「怖い人」とされている人のことも一切怖がりません。
──腕力に自信があるのでしょうか?
そうではなくて、彼らが知恵で勝負しているからだと思います。相手が暴れん坊だろうが危険な人だろうが、権謀術数を含めた知恵を使って懐柔すれば勝ちだ、という発想をします。
たとえば、怖い人にすごまれたとします。一般的な日本人はたいてい要求をのんで泣き寝入りしますが、華僑は「そんな風に強い言葉を使われると怖くなって本音が言えません。そうすると想定外のことが起こる可能性があり、あなたにとってそれはリスクですよ」というようなことを伝えます。
──なるほど。大胆に動いて、頭を使って対処する。では、『華僑の奥義』で紹介された中で、大城さんが「一番使える・役に立つ」と思われるのはどの奥義でしょうか。
これは、その人の性格や現在置かれている立場によって違います。私は現在企業のオーナーをしていますが、サラリーマンだった頃の自分へのアドバイスになるようなものも盛り込みましたし、主婦である妻が読んでも、なるほど、と膝を打つようなコンテンツも混ぜました。