アナウンサー・渡辺由佳が解説「こんなときどう言う?」

「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!

職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)

著者プロフィール

渡辺由佳(わたなべ・ゆか)

1964年、東京都生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。テレビ朝日にアナウンサーとして入社。報道から社会情報番組まで多数の人気番組を担当。1993年に独立。以後、フリーアナウンサー、話し方講師としての活動を始め、テレビ朝日アナウンサースクールやシェリロゼ(自分磨きスクール)で指導を行なうほか、「ビジネスマナー」「コミュニケーション」「ビジネスメール」をテーマに企業向けのセミナー講師も務める。2016年より大妻女子大学文学部非常勤講師を務める。

著書に、『会話力の基本』(日本実業出版社)、『スラスラ話せる敬語入門』『サクサク書けるビジネスメール入門』(以上、かんき出版)、『気の利いた「ひと言」辞典』(講談社)などがある。

ブログ:渡辺由佳の素敵なことば探し
http://ameblo.jp/sutekinakotoba/

相手の長い話をさえぎるときのひと言

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2019/03/15 15:11

(photo by metamorworks/fotolia)

相手の話をさえぎるときに、「お話の腰を折るようですが」というフレーズを耳にすることがあります。でも「そもそも話の腰って何?」と疑問に思われた人もいるのではないでしょうか。語源を調べてみると腰とは人間にとって体を支えるとても大切なところで、そこを折ってしまうということは、極めて大変なことをしてしまった、という意味合いで、「話の腰を折る」という表現が使われるようになったようです。

【改善前】

お話の腰を折るようですが……

【改善後】

その○○についてなんですが……

腰を折るのは失礼なこと

つまり、「話の腰を折る」という言葉は、とてもイメージが悪く、印象がよくありません。この言葉を口に出しただけでも、相手に対してはとても失礼にあたるのです。その他にも「お話に水をさすようですが」「お話の途中で申し訳ないのですが」という言い方もありますが、やはりこの言葉も同様に口にしただけでマイナスなイメージを与えてしまいます。

ですから、結果的には相手の話をさえぎることになったとしても、会話のなかではこのような言葉は使わないほうがよいでしょう。

キーワードを使う方法

そこでお勧めしたいのが、相手の話に乗りつつ、自分の話したい方向に舵を切る言い方です。ポイントは、相手が使ったキーワードを切り口に話をしてみることです。

「その○○について、こちらで調べましたところ……」
「その○○について、こんな意見もあったんですが……」

など、同じ言葉を使って話を自分のほうに引き寄せます。

そうすることで、相手も話をさえぎられたという印象がなく、気持ちよくこちらの話にも耳を傾けてくれるのではないでしょうか。


本連載は、企業の総務・経理・人事向け月刊専門情報誌「企業実務」から一部編集のうえ転載したものです。ご購読・見本誌をご希望、お問い合わせにつきましては下記バナーをクリックしてください(関連会社のサイトに遷移します)。

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