「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2019/02/18 16:12
そうそう、最悪だよね。
それは、大変だったね。
「新しく来た課長って、細かくて最悪だよね。提出した書類、文章がわかりにくいから書き直せって」と同僚から愚痴を聞かされたとします。自分はそう思っていなかったときに、「そうそう、最悪だよね。前の課長のほうがよかったよ」などと、安易に同調してしまうと、あなたが首謀者にされてしまう可能性があるので要注意です。
たとえ、相手の悪口を聞かされたとしても、「それは、大変だったね」と、そのきっかけとなったできごとだけを受け止めて、相手が言った言葉には同調しないのが賢明です。そこから踏み込んで、同調する必要はないのです。
大変な状況に陥ったことに対して、同情してもらえれば、相手の気持ちも少しは収まるものです。
「細かい」と評価する人もいれば、「細やか」と評価する人もいます。同じ漢字を使っていても、前者は悪いイメージにも聞こえますし、後者はよいイメージを想像するのではないでしょうか。
人の性格というのは、時にプラスに作用したり、時にマイナスに作用したりします。それを、長所と言ったり、短所と言ったりしますが、どちらも元は同じその人の性格です。そう考えれば、人の評価はなるべくよいイメージの言葉を使いたいものです。
「言葉は人なり」と、アナウンサー時代に学びましたが、よいイメージの言葉を使うことで、自分自身の品格を上げることにもつながると思います。
本連載は、企業の総務・経理・人事向け月刊専門情報誌「企業実務」から一部編集のうえ転載したものです。ご購読・見本誌をご希望、お問い合わせにつきましては下記バナーをクリックしてください(関連会社のサイトに遷移します)。