「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2018/11/16 11:03
たとえば、会社の飲み会で普段あまり会話をしない人と隣り合わせになったとき、どうやって会話のきっかけをつかめばよいか悩ましいところだと思います。しかし、仕事で何の接点もない人だったとしても、その場を見渡すと会話のきっかけとなる材料は必ずあるものです。
○○さん、鶏のから揚げ、取りますか?
○○さんも、鶏のから揚げ、いかがですか?
「こちらのお店、以前にもいらしたことはありますか?」「アルコールは、何がお好きですか?」など、まずは、誰にでも使える話題できっかけをつかみましょう。
その後、もうひとつ話が盛り上がらないときは、少し離れたところにある大皿料理を取るときがチャンスです。自分は手が届くけれど、隣の○○さんは届かないと思ったら、ぜひ、ひと声かけたいものです。
「○○さん、鶏のから揚げ、取りますか?」と声をかけると、相手に欲しいかどうかをストレートに聞いているだけです。しかし、「○○さんも、鶏のから揚げ、いかがですか?」というひと言を使うと、相手に勧めているニュアンスが加わり、相手への思いやりがぐっと増した表現に変わります。
誰でも自分のことを大切に思ってくれる人には、自然と心が開かれるものです。「実は鶏のから揚げが大好物で…」などと、食べ物談義で盛り上がるかもしれません。
飲み会は、普段、話をしない人と心の距離を縮める絶好の機会です。ぜひこのチャンスを活かしていきたいものです。
本連載は、企業の総務・経理・人事向け月刊専門情報誌「企業実務」から一部編集のうえ転載したものです。ご購読・見本誌をご希望、お問い合わせにつきましては下記バナーをクリックしてください(関連会社のサイトに遷移します)。