日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2018/08/21 16:34
11日に東京で行われた水泳パンパシフィック選手権の女子100メートルバタフライで池江璃花子選手が今季世界最高タイムとなる日本新記録で金メダルを獲得、18日に開幕したアジア大会ではさらなる活躍が期待されている。
さて「池江」という名字をみてどう感じるだろうか。「池」も「江」も名字にはよく使われる漢字のうえ、漢字で2文字、読みで3文字というのもごく普通。従って、普通にありそうな名字だと思われるのではないだろうか。
ところが、実際に他の「池江」さんに会ったことがあるという人は少ないはずだ。というのも、名字ランキングでは12000位台の珍しい名字なのだ。しかも、分布は九州、石川県、関東南部の3か所に集中しており、その他の地方にはほとんどいない。最も多いのは鹿児島県霧島市から宮崎県都城市にかけての地域で、次いで石川県七尾市に多い。
ルーツは地形由来だろう。「池」は文字通り池のことで、「江」は川。「江」という漢字の意味は「大きな川」を指すが、名字ではそこまで厳密に区別して使ってはいない。
ただし、「え」の意味は「川、海、湖、堀などの一般的な呼び名であるが、特に陸に入り込んでいる部分をさすことが多い」(日本国語大辞典)とある。確かに「入江」は川でなく海の一部が陸地側に入り込んだところのことだ。
これらを総合すると、「池江」とは池の一部が陸地側に入り込んだところだと思われる。泳ぎやすそうな場所だ。