日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2018/04/16 14:13
先週、「~谷」という名字は、西日本では「たに」、東日本では「や」が多いが、「大谷」は全国どこでも「おおたに」の方が多いと書いた。すると、16日付のスポーツ紙に「関ジャニ∞」の渋谷すばるが脱退するという記事が大きく掲載されていた。大阪の出身で、名字の読み方は「しぶたに」である。
西日本だからやはり「しぶたに」だ、と納得するのは早計だ。実は、「大谷」とは逆に「渋谷」という名字は、東西を問わず「しぶや」が主流なのだ。「渋谷」という名字で最も有名なのは、桓武平氏の渋谷一族。この一族が「しぶや」と読み、鎌倉時代に各地に所領を貰って移り住んだことから、全国に「しぶや」が広がった。
現在、東日本では圧倒的に「しぶや」が多いだけでなく、西日本でも「しぶたに」と「しぶや」が混在しており、兵庫県や富山県など一部を除くと「しぶや」の方が優勢。大阪府でも、「しぶや」が6割以上を占めている。
ところが、日本一「しぶたに」さんの多いのは、なぜか東日本の青森県。青森では8割以上が「しぶたに」と読み、実数でも全国一「しぶたに」さんが多い。隣の秋田県では99%が「しぶや」であるなど、東日本の他県では9割以上が「しぶや」さんなので、青森県の「しぶたに」率は突出している。