日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2018/02/05 09:46
神戸講演のあとは1泊して鵯越と一の谷を中心に源平合戦の後を訪れようと思っていたのだが、雪が降るということで断念。予定を変更して赤穂を訪れた。しかし、平地なら大丈夫という思惑は見事にはずれ、播州赤穂の駅に着いたときはすでに雪が舞っていた。
播州赤穂駅近くには忠臣蔵のからくり時計があり、市内には赤穂義士の旧宅の場所にそれぞれ案内板が立つなど、町は忠臣蔵一色。観光案内書でもらった地図にも義士関係の史跡が詳しく掲載されている。
降り続く雪の中、花岳寺~大石神社~赤穂城跡~赤穂市立歴史博物館と一通り回ったのだが、2か所で面白い資料を入手した。
1つは大石神社にあった、2014年の特別展「大石内蔵助とその一族」の図録。図録はそのテーマに沿って多くの資料を簡潔にまとめ、さらに解説もついているためわかり易い。もう1つは、赤穂市立歴史博物館の刊行している「早水家文書」。早水家とは義士の一人で弓の名手として知られた早水藤左衛門の家である。
早水藤左衛門は岡山藩士山口家の生まれで、赤穂藩士早水四郎兵衛の養子となったもの。山口家は戦国大名大内氏の流れを汲む名家であった。事件によって藤左衛門は切腹、赤穂藩士としては断絶したが、実兄の子が藤左衛門を跡を継いで、早水家は子孫が続いている。
こうした図録を得るのも、博物館を訪れる楽しみの1つである。