一目均衡表やボリンジャーバンド、RSIにストキャスティクス……etc. テクニカル分析に用いられる指標は、トレンド系指標(相場の方向性を追いかけるもの)・オシレータ系(売られすぎ・買われすぎなど相場の状態を示すもの)問わず、実に多岐にわたります。

そのなかでも、初心者からベテランまで最も多くの人が使っている「移動平均線(Moving Average,MA)」。テクニカル分析で一番基本となる指標であり、証券各社が提供するトレードツールにも機能としてまず間違いなく搭載されています。

そこで今回は『移動平均線 究極の読み方・使い方』(小次郎講師 著)から、テクニカル分析の王道にして基本ともいえる移動平均線を用いた分析手法、「移動平均線大循環分析」を学びなおしてみましょう。

「移動平均線大循環分析」とは

株でも先物でもFXでも、投資をしたことがある人ならば、チャートに移動平均線を重ね合わせて見たことが一度はあるでしょう。そのとき、ほとんどの人は短期・中期・長期の3本の移動平均線を表示させていたのではないでしょうか。

そして「短期線が中・長期線を、中期線ならば長期線を下から上に横切るようにクロス(=ゴールデンクロス、GC)すれば上昇トレンド入りを示唆し、上から下に割り込むようにクロス(=デッドクロス、DC)すれば下降トレンドに入ることを示唆する」というところまでは知っていることと思います。

「移動平均線大循環分析」とは、この3本の移動平均線の位置関係(6種)でもって相場のステージをとらえ、トレンドを読み取っていくものになります。具体的には下図のようになります。

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「移動平均線大循環分析」の循環の様子(『移動平均線 究極の読み方・使い方』P.64の図を基に作成)

 

ケーススタディで学ぶ相場の優位点(エッジ)

実際のチャートで、循環の具体例をみてみましょう。