日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2017/12/25 16:10
浅野内匠頭自刃の碑がある新橋4丁目から、西に少し歩くと愛宕山がある。愛宕山の標高は25.7m。これでも自然の山としては東京23区の最高峰だ。「自然の山」と断ったのは、新宿区戸山にある尾張藩が築いた人工の山、箱根山が44.6mもあるからだ。
山裾の鳥居からは、山上にある愛宕神社への86段の急な石段があり、その脇には「出世の石段」とある。ここが講談「寛永三馬術」で有名な「曲垣平九郎出世の石段」の舞台である。
といっても、今では知らない人が多いだろう。三代将軍徳川家光が愛宕神社を訪れた際、この石段を馬で駆け上ることができる者はいないかと尋ねたところ、それに応じたのが高松藩士の曲垣平九郎で、馬でこの石段を駆け上ると、神社脇の梅の小枝を手折って将軍に渡したという、講談の定番の出し物だった。
実際に登ってみるとかなり急で、一気に登るとさすがにしんどい。しかし、かつてテレビ番組で実際に馬で駆け上がったそうなので、まんざらつくり話ではなさそうだ。
神社脇には、その時手折ったという梅の木もあるが、これはさすがにそれ程の老木ではなく、代替わりをしていると思われる。