マーケティングにはターゲット設定が必要不可欠であることがわかりましたが、実際に設定するにはどのような手順を踏めばいいのでしょうか。それには、以下に紹介するフレームワークを活用すると便利です。
新刊『課題解決につながる「実践マーケティング」入門』(理央周 著)から、「ターゲティング」をテーマに全3回の連載をお届けします。第2回は「ターゲット層の絞り込みかた」について。
第1回はこちら

【今回のPoint】ターゲット層を絞り込むには

□フレームワークSTPを活用する。STPとは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)のこと
□デモ・ジオ・ライフ・サイコの4カテゴリーで切り分ける
□自社の価値が届くセグメントを選び組み合わせ「潜在顧客層」の塊にする

※著者講演会を2017年11月8日(水)に開催します。詳細は2ページ目末尾をご参照ください。


ターゲット設定の目的は「経営資源を効率的に配分して競合と比べて優位に戦えるようにすること」です。市場のすべてを狙うのではなく、自社プロダクトの価値を理解して、適正な価格で購入してくれる顧客層が十分にいる「自社が有利に戦える場所」を見つけ出していきます。

では、どうやってそういう場所を見つければいいのでしょうか。

自社の顧客を設定するフレームワーク「STP」

自社の競争優位を築くためにターゲットを絞るときには、コトラーが提唱したフレームワーク「STP」を利用します。

「自社の顧客は誰か?」を定義することはマーケティング活動を進めていくうえで必要不可欠です。STPは、顧客を定義する基礎となるフレームワークなので、しっかりと頭に入れておきましょう。

STP は、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の頭文字をとったものです。

・セグメンテーション(分ける)

さまざまな切り口で“集団”に切り分ける(細分化する)

・ターゲティング(まとめる)

各要素を組み合わせ“ 塊(かたまり)”にまとめる

・ポジショニング(立ち位置を決める)

競合より優位に立てる場所を探しそこで戦う

この項では、セグメンテーションとターゲティングについて、説明します。

セグメンテーションの4つの切り口

最初は、切り口で細分化(セグメンテーション)した集団をつくります。市場を「4つのカテゴリー」の中にあるそれぞれの区分で細分化していきます。

①デモグラフィック(デモ:属性)

年齢・性別・職業などの人口統計的な分け方

②ジオグラフィック(ジオ:地域)

どこに住んでいるか、どのエリアで働いているかという地理的区分

③サイコグラフィック(サイコ:価値観)

普段何を大事に思っていて何を基準に物事を決めるか

④ビヘイビア(ライフ:行動)

普段どんな行動をとっているのか

それぞれ、長い単語なので、「デモ・ジオ・サイコ・ライフの4カテゴリー」といった具合に覚えておきましょう。