子どもの「悪い習慣」を放置していませんか?
『家政婦のミタ』の人気脚本家が手掛ける最新ドラマ『過保護のカホコ』が放映中です。第一話の出だしから主人公・根本加穂子(カホコ)のお母さんの過保護ぶりが際立っていました。
たとえば
・毎日、娘のためにお弁当を手作り、ベッドまで起こしに行く
・毎朝、娘の洋服を決めてあげて、駅まで車で送る
・「カホコはお母さんの言うことを聞いていればいい」と言い切る など
カホコはこの状況に少しも疑問をもたず、お母さんの言うとおりにしていればいいのだと、就活がうまくいかなくても他人事の様子です。そんな2人の姿を見ながら、「ここまでではなくても、もしかして私も間違った子育てをしているかも」と不安を感じたお母さんも少なくないのではないでしょうか。
そんなお母さんたちに「子どもの将来は“毎日の習慣”で決まります!」と言うのが、自らも3人の子供を育て、教育問題・家庭問題の専門家として講演会等で活躍中の田嶋英子さん。田嶋さんの著書『今すぐやめさせたい 子どもを「ダメな大人」にする36の悪い習慣』から、やめさせるべき子どもの「悪い習慣」をみてみましょう。
授業中、お腹が痛くてもトイレに行くのをがまんする
授業中にお腹が痛くなってトイレに行きたくても、先生にそれを言いだせずがまんしてしまう子どもが多いようです。
「お腹が痛いならトイレに行くのは当たり前」、そう思う大人の人が多いでしょう。しかし自分の「当たり前」と、子どもの「当たり前」は違うものです。大人はそれを意識し、子どものことを気にしてあげる必要があります。
子どもにとって授業中に授業と関係のないことで先生の注意をひくことは、とても勇気のいることです。しかもお腹が痛くてトイレに行きたい……なんて、恥ずかしくて言いだしづらいですよね。
大人は、そんな子どもに、勇気を出して「体調が悪いです」と先生に伝える方法を教えてあげなくてはいけません。
子どもは大人には説明できなくても、いろいろなことをがまんしているものです。だからこそ「がまんしなくていい」と言うだけではなくて、どんなふうに表現したらいいかを伝えてあげるべきだと田嶋さんはアドバイスしています。
なぜなら、この「がまんして乗りきる」という習慣は、社会に出るとすぐに破綻してしまうからです。お腹が痛いときはトイレに行くしかないように、他の困った状況もがまんしているだけでは本当の解決にはなりません。
自分がしたいことや自分の状況を表現することができずに、人が聞いてくれるのを待っていたり、ただがまんしているだけの大人にならないよう、まずは先生に伝える練習をしてみてはどうでしょう。
相手よりも、小さい声で返事している
小さい声の返事は相手にとってストレスになります。声の大きさなんてちょっとしたことと思うかもしれません。しかし、聞こえにくい声で話されると、聞き取ろうとして耳を近づけなければならないし、スムーズな会話になりません。聴き手にとっては大きな負担です。
親は子どもに、挨拶や返事を返すことは礼儀の基本だと教えることでしょう。そこで忘れてはならないのが、相手の声の大きさに揃え、聞こえる声で返事をして初めて、「きちんとあなたに向き合っています」ということが、伝わるのだということ。相手にたいしてきちんとリアクションをとっても、声が小さいと「きちんと返事をしない子だな」「話を聞いているのかな」と相手に誤解されてしまう可能性があることを教えるべきなのです。