“自分の悩みは自分で解決できる”
『凹まない練習』(日本実業出版社:刊)は、うつ病の治療などにも用いられる「認知行動療法」を、イラストと物語で解説した1冊です。
「認知行動療法」は米国で強い影響力をもつ臨床心理学者のアルバート・エリスが確立した、物事のとらえ方や考え方を健全に戻す方法です。物語では、主人公のエーリスがこの方法を使って、お客様が不必要な悩みやイライラ、不安や凹(へこ)みから、自由になるためのお手伝いをします。
とある街にある、ちょっと変わった名前のお店、「こころのメガネみがき屋」。そこは、人の心から悩みを消す不思議なお店です。店主であるリスのエーリスが語る「こころのメガネの話」にその秘密があるらしいのです。今日もまた、評判を聞いたお客さまが、「何か、変わるかも!」という期待とともに、ひとり、またひとりと、その扉の奥へと入って行くのでした――。
あなたも椅子におかけになって、エーリスの話を聞いていきませんか?
ここでは本書の内容の一部を、編集のうえ紹介します。(過去記事はこちら)
あなたを苦しめる「考え方のクセ」を見つけよう
「こころのメガネ」は一人ひとり違いまして、同じものはひとつとしてないんです。と言いますのも、一人ひとりはまっているレンズが違いましてね。そのレンズは一人ひとりが持っている、「その人なりの考え」からできているんです。
常識やルール、固定観念や価値観、信念や信条……、そういったものでしょうか。
では、感情が生じる時、そんな「こころのメガネ」をどのように使っているかと申しますと、出来事に対していろんな「情報処理」をする時に使っているんです。「出来事」からすぐ「感情」が生じる、というわけではないんです。
まずは「出来事」を知覚し、そして次に、その知覚したことを自分のレンズを通して評価し、判断を下すんです。ですから、感情はすべてこころのメガネに影響されて生じているというわけなんです。
ところで、誰しも考え方にはクセがあります。たとえば、出来事をついネガティブな方向から捉えてしまうクセがあると、イライラや不安をひき起こしやすくなります。そんなこころのメガネのレンズにあるネガティブなゴミが、心の不調の原因になるんですね。
この考え方のクセ、いくつかパターンがあります。わたくしが作成したパターン集がありますので、チェックしてくださいまし。イラストつきですので、気楽にご覧いただけると思います。
こんな考え方をしていませんか?
両極端でしか考えない
あらゆる出来事を
正しいか間違っているか
「すべて」か「ゼロ」かの
どちらかで考えてしまう