いよいよ、子ども達にとって最大の楽しみといってもいい夏休みがやってきました。一方で、「長い夏休み、ちゃんと計画的に過ごせるのかしら」と心配しているお母さんも多いことでしょう。

そこで役に立つのが「こども手帳術」。子どものやる気がどんどん湧いてきて、親から指示されなくても、自分で考えて行動をするようになる手帳術だそうですが、具体的にはどういった方法なのでしょうか?

都内某所で行われた「こども手帳術・夏休み活用講座」で、『あれこれ言わなくても大丈夫! 自分で考える子になる「こども手帳術」』の著者であり、手帳術講師として活躍中の星野けいこさんがそのポイントを説明してくれました。(文:日本実業出版社 桑田)

 「こども手帳術」を使えば、親も子どももハッピーになる!

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講師の星野さんも、2人の女の子のお母さん

ある休日の昼下がり、「小学生になって初めての夏休みで、子どもがとまどっています」「去年の夏休みは過ごし方を失敗してしまって、宿題が終わらず最終日に泣くことになったので、今年はなんとかしたくて」など、さまざまな思いをもったお母さん達が「こども手帳術・夏休み講座」が開かれる会場に集まっていました。

なかには「おもしろそうだから参加してきてよ。後で僕に作り方を教えて!」と息子から頼まれたという、お母さんも。

お母さん達を前に、講師をつとめる星野さんは話しはじめます。「大人ですらスケジュールを管理し、優先順位をつけて行動するのは難しいもの。子どもが予定通りに動くことができないのは当然です」

こども手帳術の基本コンセプトは、毎日の「宿題をやっているの?」「いまやろうと思ってたのに!」というバトルを減らし、「親と子どものストレス値」を下げること。そして、中学や高校、さらに先の大人になったときに重要な、自己管理能力を身に着けることだとか。

自らも娘2人の子育てに悩んだ時期があった星野さん。「スケジュール管理」「タスク管理」「情報の一元化」を3本の柱とした「あな吉手帳術」に出会ったことで、「やらなくちゃ! でも時間がない!」の日々が、快適な毎日に変わったとか。その経験から、どんどん成長していく子ども達にも、自分専用の手帳をもつことで「できた!」という喜びを感じてもらえるようにこども手帳術を考案したそうです。

「子ども達は手帳を使って自分自身でスケジュールを管理し、実行することを経験していくうちに、自然と『自分で考えて、実行できる子』に変わっていきますよ。さらに、子どもが自分で考えて動けるようになることで、お父さんお母さんもイライラすることが少なくなり、毎日の親子のコミュニケーションがもっと楽しくなります」と、星野さんは話し続けます。

「今回の講座では、夏休みという決まった期間の中で、きちんと宿題を終わらせられるよう、自分で計画を立て実行する練習を始めるための、手帳術をお伝えできればと思っています」

「こども手帳」の主役は、あくまで子ども自身!

星野さんの体験談や、こども手帳術のコンセプトを知ったお母さん達は身を乗り出すように話を聞いています。

しかし、ここで星野さんはお母さん達に釘をさします。

「気をつけてほしいのは、こども手帳術の主役は子どもであり、親はサポーターだということです。親が計画を立て、それに子どもを従わせる道具ではないことを忘れてはいけません。

さらに、こども手帳はお店に売られているわけではありません。それは、世界でたった1つ、その子のための手帳です。たった3つのステップで、子どもでも手作りできます。では、概略を説明しましょう」

Step1. 「手帳は私の宝物!」にする

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世界で一つの自分の手帳

「まずは手帳の土台となるシステム手帳バインダー(A5サイズで穴が六つ開いたもの)を用意します。そして男の子だったら、大好きなアニメのちらしやヒーローショーのチケットなど、子ども自身が興味があって、好きなものをはさむことから始めます。

子どもにとって手帳は大切なもの、楽しいもの、という感情へとつながるような出会いを演出してあげましょう」

Step2. 「言われなくてもできるよ!」を増やしていく

「好きなものをはさんだ手帳を子どもがよく見るようになり、この手帳は自分のもの、という感覚になってきたら、ステップアップのときです。

2つめのステップでは予定を手帳に直接書き、やるべきことをフセンに書きだします。まずは、1日の過ごし方を手帳の中で組み立てることから練習しましょう。書きだしたことをいつどんなタイミングでやるのか自分で決めることができれば、子どもの自信につながります」