日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2017/04/24 10:37
近年低迷が続く日本の男子マラソン界。そうした中、4月17日(現地時間)に行われたボストンマラソンで、初マラソンの大迫傑選手(ナイキ・オレゴンプロジェクト)が2時間10分28秒の好タイムで3位に入り、1987年に優勝した瀬古利彦以来30年振りに表彰台に立った。しかも、初マラソンながら30キロ以降のラップタイムをあげるという堂々たるレースで、一躍東京五輪に名乗りをあげた。
この「大迫」という名字、「おおさこ」という読みは、漢字本来の読み方とは対応していない。しかし、「大迫」を「おおさこ」読める人は結構多いのではないだろうか。
というのも、全国ランキング1100位台というかなりメジャーな名字で、「大迫」以外にも「迫田」「宮迫」「小迫」「中迫」など、「迫」を「さこ」と読む名字は、西日本各地にいろいろある。
「大迫」の分布もかなり偏っており、鹿児島県と宮崎県南部に全国の半数以上が集中している。その他では、広島県にも多い。
中世の日本人は、開けた平地よりも、谷間を好んで住んだ。こうした谷間を、西日本では「さこ」「せこ」などと呼び、「迫」の他にも「廻」「佐古」「窄」「硲」など様々な漢字をあてたことに由来する。