日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2016/09/20 14:23
関東では連日雨が続く中、1日だけ天気の良かった17日に、書籍の取材もかねて埼玉県鴻巣に行ってきた。
JR高崎線の鴻巣駅で降りて、まず驚いたのが写真の駅名標。こんな派手な駅名標を見たのは初めて。そして、この図柄でもわかるように鴻巣は人形の町として有名だ。
しかし、鴻巣に来たのは人形が理由ではない。実は、鴻巣は源氏ときわめてゆかりの深い土地である。武家の名門である源氏にはいくつかの流れがあるが、その中で最も名門とされるのが清和源氏である。清和源氏は、清和天皇の孫にあたる経基が、皇族を離れて臣籍降下した際に「源経基」と名乗ったのが祖。経基は貞純親王の六男であったため、「六孫王」と名乗ったとされる。
さて、臣下となった経基は武蔵国司となって武蔵国足立郡に下向した。鴻巣駅から西に800m程歩いたところに県立鴻巣高校がある。この南側の一角にこんもりとした小高い場所があり、ここが「伝源経基屋敷跡」である。
周囲には堀の跡があり、頂上が平らになっていることから、いかにも武家館跡という感じがする。そして、その一角がさらに高くなっており、ヤブ蚊の襲撃を受けながら上がると、上には「六孫王経基城址」の碑が建てられていた。