日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2016/08/09 16:52
リオ五輪は、開幕早々に競泳男子400m個人メドレーで、萩野公介と瀬戸大也が金メダルと銅メダルを獲得、1競技で2人が同時に表彰台に上るという快挙を達成した。
この2人は小学生時代からのライバル。とはいっても同じ学校だったわけではなく、萩野は栃木県小山市、瀬戸は埼玉県毛呂山町の出身。水泳の全国大会を通じてのライバル関係にあった。
「萩野」という名字は、文字とおり「萩の茂っている場所」に由来する。萩は秋の七草の一つでもあり、「萩野」も沖縄以外に広く分布しているが、栃木県には少ない。
では「瀬戸」というと、どういう場所がルーツかわかるだろうか。
一般には「音戸の瀬戸」などというように、海峡を指すことが多い。しかし「瀬戸」という名字が最も多いのは、神奈川県西部の小田原から山北町にかけて。とくに丹沢の麓である山北町では町の最多名字。この他でも、海沿いよりも山間部に集中地域があり、瀬戸選手の出身地の毛呂山町も埼玉県西部の山間部にある。
「瀬戸」とは本来両側に山が迫っている場所のことを指し、海峡は瀬戸のうちの一つにすぎなかった。従って、「瀬戸」という名字も山間部に多く分布していると考えられる。