名南経営 presents ─vol.5─
すでに多くの自治体では、マイナンバーの「通知カード」の郵送手配が進められています。このコラムの読者のなかにも、すでに通知カードを受け取った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、すべての従業員に通知カードをモレなく確実に受領してもらうために、企業の担当者が行なうべき対応について解説します。
「住民票の住所地にしか送付されない」ことを周知する
通知カードは郵便局から簡易書留によって送付されます。この簡易書留には「転送不要」と記載されているので、受取人が引っ越しにあたって転居届を出していても引っ越し先には再配達されません。
転居をしても、忙しさを理由に住民票の転出、転入届を後回しにしているケースがありますが、通知カードは住民票の住所地にしか送付されないことを周知したうえで、「なかなか届かない」という従業員にはこの点を再確認してみましょう。
自宅で受け取りづらいときの対処法
また、一人暮らしの従業員が勤務シフトなどの関係で通知カードを受け取りづらい場合や、仕事が忙しくて郵便局の窓口まで取りに行く時間がない、などというケースも想定されます。
配達時に受取人が不在で通知カードを配達できなかった場合は、「マイナンバー通知カード専用不在票」が郵便受けに投函されます。この不在票を使って再配達や受取方法を選択するときに、「勤務先への配達」や「勤務先や自宅近くの郵便局での受取」「配達郵便局での受取」を選ぶこともできるので、この点も周知しておくとよいでしょう。
参考までに「マイナンバー通知カード専用不在票」のサンプルを挙げておきます。
※数字の箇所には次の内容がそれぞれ記載されています。
1. 受取人の氏名 2. 差出人 3. 配達日時 4. 保管期限 5. 追跡(問い合わせ)番号 6. 郵便物の種類(この場合はすべて03)
不在票も含め、通知カードがなかなか到着しないという従業員には、本人から直接、住民票所在地の市役所等へ確認してもらいましょう。誤送されることは考えにくいですが、「転居の際、じつは住民票を移動し忘れていた」などの原因が判明するかもしれません。
そして、受領した「通知カード」に記載されているマイナンバーは、早速、年末調整の提出書類の一部、「平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に原則として記載することになります。この12桁の個人番号は一生涯変わることがない番号であり、秘匿性の強い番号ですから、安易に他人に見せたりしないように、あらためて強調しておきたいところです。
(次回は11月24日・火曜日に配信予定)
【執筆者プロフィール】
社会保険労務士法人名南経営
中野 剛志(社会保険労務士)
都内社会保険労務士等において社会保険労務士の実務経験を積み、社会保険労務士法人名南経営に転職。主に中堅規模の企業の社会保険手続や給与計算業務、人事労務相談等に従事している。『現場の実態に即した分かり易い提案』をモットーにした実務対応は、クライアント企業から好評である。