日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2015/07/27 16:58
芥川賞作家となった相方、又吉直樹との格差を逆手にとって活躍中の芸人、ピース・綾部祐二。「綾部」と聞くと、京都府の綾部市を連想する人も多いと思うが、実は京都には「綾部」という名字は少ない。
「綾部」が集中しているのは、九州北部と関東南部の2ヶ所である。九州北部では、佐賀県みやき町に古くから綾部地名があり、平安時代末期に中央から綾部荘の荘官として派遣された藤原氏の一族が、そのまま土着して綾部氏を名乗った。
以後、戦国時代まで同地の有力一族として活躍、江戸時代に嫡流は佐賀藩士となったことから、現在でも佐賀県を中心に九州北部には「綾部」という名字が多い。
一方、関東では東京都町田市に綾部地名があり、神奈川県秦野市に「綾部」が集中している。また、江戸時代川越には、川越藩御用達として塩や油などを扱っていた豪商の綾部家があるなど、各地に綾部一族がいたとみられる。
綾部祐二は茨城県古河市の旧総和町の出身。実は旧総和町小堤の香取八幡社境内にある、江戸時代中期に建てられた石灯籠に「綾部助右衛門」という名が刻まれており、同地には古くから綾部一族がいたことがわかる。