会社の経営はつねに数字で管理され評価されます。仕事のステージが上がっていけば、自然とそうした数字に向き合い、解釈し、改善策を考えて実行しなければなりません。そのためは「数的感覚」が必要ですが、実は多くのビジネスパーソンは、それを持っていないようです。

数字で物事を考えられない社員が多い

深沢真太郎さん
『こうやって数字を使えば仕事はもっとうまくいきます。』著者 深沢真太郎氏

『こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。』の著者で、ビジネス数学を専門にコンサルティング活動を行っているBMコンサルティング(株)代表、深沢真太郎氏は、仕事をしていく中ではっきりわかったことが2つあるといいます。

1. 多くの企業の経営者や人材育成担当者が、数字で物事を考えられない従業員の多さに頭を悩ませている
2. なぜビジネスでは「数字」が重要なのか、具体的にどう使うのか、多くのビジネスパーソンは知っているようで実は知らない

つまりは経験と勘にだけに頼り、いわばどんぶり勘定で仕事をしているビジネスパーソンが意外に多い、ということです。景気や会社業績がいい時はそれで済んでしまうかもしれませんが、そうではない状況に陥った時には、さまざまな経営上の数字の意味するところを正確に認識して、ロジックにもとづいて対策をとらなければなりません。

そうした時必要なのが「数的感覚」=「数字の使い方」なのです。

深沢氏の著書、『数学女子智香が教える こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。』は、中堅アパレル企業の「超文系」イケイケ営業部リーダー・木村と、ロジカルな「数学女子」・智香の迷コンビが活躍する新感覚ビジネス・ストーリー。数字ギライの感覚派である木村が、地味で強気な数学科出身の智香と衝突しながらも、智香からマーケティングやデータ分析などビジネスでの「数字の使い方」を学び、会社のピンチを救います。

こうやって数字登場人物『数学女子智香が教える こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。』登場人物相関図(はじめに より)


「数字の使い方」といっても中学数学レベルなので、数字アレルギーの読者でもスッとストーリーに入ることができ、いつのかにか「数的感覚」を身につけられます。ここでは、本書に出てくる重要な「数字の使い方」を2つ、紹介しましょう。

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