人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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神宮

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2014/09/16 10:31

伊勢神宮は、正式には単に「神宮」という。つまり、伊勢神宮とは「伊勢にある神宮」ではなく、神宮そのものである、ということだ。

現在では、〜神宮という神社は全国にかなりある。いずれもある程度の規模を持つものだが、歴史が古いものばかりとは限らない。明治神宮や橿原神宮など、明治以降に創建されたものもある。

古代、神社が神宮と称するのには特別な決まりはなかったが、平安時代の清和天皇の頃に、神社が「神宮」を名乗るためには勅許(天皇の許可)が必要になった。明治時代になると、皇室の先祖を祀るいくつかの神社が名称を神宮にあらためた他、新たに創建された明治神宮、平安神宮、橿原神宮なども神宮を称するようになるなど、神宮の数が増えている。

そもそも、延喜式の神名帳では、神宮は伊勢神宮、鹿島神宮、香取神宮の3つしかない。古代からの歴史を有するこの3つの神社は別格であったことがうかがえる。
これらは、伊勢と関東という離れた場所にあるが、伊勢神宮は紀伊半島の東端に、鹿島神宮と香取神宮は、関東平野の東端にある。いずれも海から朝日の昇る場所である。
太陽神である天照大御神の末裔である天皇家にとっては、特別な神社であることがわかる。




鹿島神宮



香取神宮

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