日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2014/09/01 11:28
昨年秋に20年に1度の式年遷宮を迎えた伊勢神宮。遷宮の翌年は“おかげ年”と言われてご利益があるとのことで、初めて伊勢神宮を参拝して来た。
一般的にはあまり知られていないが、伊勢神宮には大きく内宮と外宮の2つの神社がある。JRや近鉄の伊勢市駅の駅前から参道が延びているのは外宮で、伊勢神宮の本体ともいえる天照大御神を祀るのは内宮の方だ。参拝の順序としては、外宮→内宮と回るのが正しく、外宮から内宮にかけては専用のバス便もある。
さて、外宮の方は豊受大神宮といい、穀物や食物を中心に衣食住の守り神を祀っている。
外宮と内宮では奉仕する神官も違っている。代々外宮の神官をつとめるのは度会一族という。度会一族は、垂仁天皇の時代に伊勢国造に任ぜられ、大神主を兼ねたと伝える。もともとは志摩市の地名である磯部氏を名乗っていることから、志摩半島に古くから土着した氏族だったのだろう。そして、伊勢神宮外宮の神官となって、神宮のある度会郡の地名を姓とした。
やがて、一門・二門・三門・四門という4つの流れに分かれたが、このうち二門の子孫が栄えて代々外宮の主要役職を独占した。鎌倉時代に伊勢神道を確立したのも、度会一族二門である。
伊勢神宮外宮参道
伊勢神宮外宮