人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

明治安田生命が名字ランキングを発表

2013/12/16 12:47

11日夕方から12日の朝にかけて、各社のニュースで「佐藤」さんが「鈴木」さんより多かった、というニュースが一斉に流された。これは、明治安田生命が自社の全国の保険契約者596万人の名字を調査した結果を発表したもので、トップ3は、「佐藤」「鈴木」「高橋」となっている。

保険会社が契約者の名字を集計して発表したのは、昭和62年の第一生命ランキングが嚆矢。このときは契約者約1000万人が対象で、トップ3はやはり「佐藤」「鈴木」「高橋」の順だった。

以来、保険契約者や、電話帳などを使って多くのランキングが出されているが、トップ3の順位は変わらない。実はこの3つの名字は僅差ではなくかなり差があるため、多少サンプルが違っても、その順位には変化がないのだ。つまり、この四半世紀の間、日本一多い名字は「佐藤」さんだというのは周知の事実だったのだが、明治安田生命の担当者や各マスコミの担当者は、そうは思っていなかったのだろう。

というのも、第一生命の前に名字ランキングとして有名だった佐久間ランキングでは、日本一多い名字を「鈴木」としていたからだ。このランキングを作成した故佐久間英氏は、コンピュータの使えない時代に、日本で初めて手作業で名字ランキングを作り上げた。手作業で扱える範囲に限定したためサンプルが偏り、「鈴木」を最多としてしまったが、実在しない名字を面白おかしく取り上げることを強く批判するなど、日本の名字研究のパイオニアとして有名である。