人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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ドラフト指名選手の名字

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2013/10/28 10:34

今年も10月24日にプロ野球のドラフト会議があり、本指名76人、育成指名13人の計89人が指名された。ドラフト会議では全国各地の選手が指名される上、指名選手については出身地なども報道されることから、名字に興味のある人にとっては面白い。

今回指名された選手の中で一番珍しいのは、なんといっても中日から4巡目で指名されたJR東日本の阿知羅拓馬投手だろう。大垣日大高時代の2010年には選抜大会にも出場していたため、記憶に残っている人もいるかもしれない。

「あちら」とは、集落の中心から離れた地域を指す言葉で、いろいろな漢字をあてた。阿知羅投手は、中学校が宮崎県、高校が岐阜県だが、「阿知羅」と書くのは奈良県宇陀市独特のもので、そのルーツは奈良県だろう。

次いで珍しいのが、オリックスから6巡目で指名された創志学園高の奥浪(おくなみ)鏡内野手。こちらは広島県の名字で、三原市と呉市に固まっている。奥浪選手の在籍している創志学園高は岡山市にあるが、奥浪選手は広島県呉市の出身。

この他では、楽手3巡目指名の浜矢広大投手(奈良県出身、ホンダ鈴鹿)、阪神3巡目指名の陽川尚将内野手(大阪出身、東京農大)、阪神1巡目指名の岩貞祐太投手(熊本県出身、横浜商大)の名字も珍しい。
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