人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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遠軽高校の緯度

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2013/01/28 13:35

25日、今年の選抜高校野球大会に出場する高校が発表された。今年は第85回の記念大会ということもあって、代表校は例年より2校多い36校。その中に北海道から21世紀枠代表として選ばれた遠軽高校がある。

遠軽高校はオホーツク沿岸のサロマ湖の西に位置する、紋別郡遠軽町にある。北海道から甲子園に出場する高校は札幌や函館、小樽、苫小牧といった南部の高校が中心。北部でも、中心都市である旭川市の高校はしばしば出場するが、旭川市より北の高校は珍しい。

過去には、道東の網走市の網走南ヶ丘高、大空町の女満別高、中標津町の中標津高と、日本海側の留萌高などが出場している。

地図をみただけでは南北関係はわかりづらいので、Google Mapでそれぞれの緯度を取得したみた。結果は、一番北にあるのが網走南ヶ丘高の44.01度で、次いで留萌高が43.94度、女満別高が43.92度の順。

では、今回出場が決まった遠軽高はというと、44.05度で、網走南ヶ丘高をわずかに抑えて最北の甲子園出場校ということになる。単純に北に行くほど雪の量が増えて寒い、というわけではないが、やはりこの緯度にある高校が、3月に行われる選抜大会に出場するのは至難のことだ。

ちなみに、「遠軽」とは、アイヌ語の「インガルシ」(見晴らしのよいところ)に漢字をあてはめたものだ。
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