人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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ロンドン五輪選手一覧から

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2012/08/20 13:42

ロンドン五輪も12日で終了、日本勢は金メダルこそ7個に終わったものの、メダルの総数では38個と史上最高を記録した。

さて、本ブログでは、前回に続いてロンドン五輪の公式サイトから。出場選手はアルファベット順でも検索できる。では、「A」から「Z」のうち、一番数が少ないのはどの文字から始まる名字かわかるだろうか。

正解は「X」で、1万人を超す全選手のうち、わずかに17人。しかも17人中16人が中国だ。残る一人はフランスだが、Yifang Xianという卓球選手で、あきらかに中国系。実際卓球の試合をみると、国籍は関係なく圧倒的に中国系の選手が多かった。

この17人のうち、10人が「Xu」という名字。漢字で書くと「徐」で、日本では「ジョ」といわれている。続いて「Xie」が3人おり、こちらは「謝」だろう。中国での発音は「シエ」だ。

「X」についで少ないのが「Q」で始まる名字で、こちらも27人。やはり中国の5人が最多だが、こちらはバラエティに富んでいる。欧米だけでなく、中央アジアのタジキスタンや、カリブ海のサントメプリンシペなどの選手もいる。

また、中国の5人は「QIE」「QIU」など、すべて「QI」ではじまるが、その他の22人は国籍に関係なく、先頭2文字は「QU」だ。英和辞典をみても、「Q」の項目のほとんどが「Qu」で、英語に限らず欧米諸言語では「Q」の次には「u」が来るのが決まりなのだろう。

「X」「Q」以外で100人以下なのは、67人の「U」だけ。「X」と「Q」には日本人は一人もいなかったが、「U」には男子サッカーの宇佐美選手など5人が掲載されている。
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