人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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東海大・菅野智之投手の去就

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2011/10/31 10:28

27日に行われたプロ野球のドラフト会議で、巨人が単独指名するとみられていた東海大学の菅野智之投手を日本ハムも指名し、抽選の結果日本ハムが交渉権を得た。

巨人原監督の甥で、同球団は1年前から指名を公表、本人も巨人入りを希望するなか、「逆指名なし」というドラフト制度の精神に則った日本ハムの果敢な指名には、訪れていた一般ファンからも大きな歓声があがっていた。

このあとどういう展開をみせるかは現時点ではわからないが、指名を受けるかどうかは本人の決断。大学4年生といえば、野球選手でなくとも人生の岐路に立たされるときだ。未成年の高校生とは違い、自らの判断で悔いのない選択をしてほしい。

さて、この選手、アマ野球ファンなら「すがの・ともゆき」と読むのは常識だが、「菅野」という名字の読み方は難しい。というのも、「菅野」には「すがの」と「かんの」の2つの読み方があるからだ。実は「菅野」の7割近くは「かんの」と読み、「すがの」は少数派なのだ。

とくに「菅野」姓が集中している東北では、秋田県を除いて「かんの」が圧倒的に多く、関東でも「かんの」が過半数。一方、「菅野」姓の少ない西日本では圧倒的に「すがの」が多い。

また、千葉県と福島県では「すげの」とも読む。福島県二本松市には激しく集中しており、その影響で福島県全体でも、「すげの」姓は第98位で県のベスト100にも入っている。

「菅(スゲ)」とはカヤツリグサ科の植物で、日本ではどこにでもみられる。古くは笠の材料などにも使用されたことから、「菅」のつく名字は多い。
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