人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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地図と等高線

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2011/06/20 10:36

先週に続いて、Google MapとYahoo!地図の違いについてみてみたい。

この2つはネット上の地図として寡占状態にある。内容は似たようなものだが、情報の精度はおそらくGoogleの方が詳しいだろう。都市部では1つ1つの建物の形状まで明確にわかり、店やマンションの名称も詳しい。さらに物議をかもしたstreet viewと切り替えることで、その場所の様子も見ることができる。

しかし、私はもっぱらYahoo!地図を使用している。理由を聞かれると、「好みだから」ということになるのだが、実は、都市部以外のGoogleの地図は今一つなじめない。実は両者の地図の一番の違いは等高線にある。

Yahoo!地図は、山間部には等高線が引かれている。もちろんGoogleにも等高線はあるのだが、かなり大縮尺にしないと出てこないのだ。通常みるサイズでは等高線がないため、建物などの少ない山間部ではのっぺりとした地図になってしまう。

Yahoo!のように等高線を引いた地図は、国土地理院の地形図を思わせるものがあり、私のように中学時代から地形図を愛用していた人にとっては、たいへんなじみやすいのだ。また、小縮尺にすると山間部は陰影をつけて彩色されており、こちらは20万分の一の地勢図を思い起こさせる。

地形図をみなれた人は、等高線をみただけで、その地形を想像することができる。峠越えの道を歩く時などは、Yahoo!地図から峠の様子が一目で知ることができるのだ。

いってみれば、機械的で精度に徹したGoogleと、より人間的なYahoo!地図ということができる。どちらかを利用するかは、「目的」と「好み」だろう。
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