人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

震災の中、選抜大会が開催

このエントリーをはてなブックマークに追加

2011/03/29 09:11

23日、第83回選抜高校野球大会が始まった。大震災からまだ半月、被害の全貌すらわからず、原発の状況もはっきりしない中での開催で、正式に開催が決まったのも直前のことであった。

甲子園大会が震災の影響をうけるのは今回が初めてではない。夏の第1回大会が開催されたのは大正4年。12年9月には関東大震災があり、翌13年夏に甲子園球場が完成して、同年夏の大会から使用されている。

平成7年1月には地元で阪神大震災があったが無事開催、今回の震災は高校野球史上3度目の震災で、戦火も含めれば4回目の試練である(この他に米騒動による中止がある)。

しかし、高校野球はこれらの試練を乗り越えてきた。絶体絶命のピンチの際、「もうダメだ」と思うか、「なんとしても乗り切る」と思うかが分かれ目だという。影響力の大きい大会だけに、何でも中止するのではなく、できることはやる、という姿勢は必要だろう。

とはいえ、甲子園球場には半旗が翻り、応援の鳴り物は自粛。しかし、人の声による応援は鳴り物にも負けていなかった。震災を乗り越えて出場した東北高アルプスは、平日の第一試合にもかかわらず試合開始時には満員になっていた。その多くは、東北高校とは直接関係のない人達だったはずだ。

支援とは、皆ができる最善の努力を果たすことだ。球児にとってできることは、全力で最高のプレーをすることだ。そして、観客にとってはそのプレーに対して、自らの手や声で声援を送ることなのだ。

関西から球児たちのプレーが明るい話題となって被災地に届くことを期待したい。
がんばろう東北。がんばろう日本。



このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ