人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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金崋山ロープウェイの企画

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2011/03/07 16:34

先日、新聞に面白い記事が載っていた。

岐阜県の金華山ロープウェイで、「織田さんや豊臣さん無料、明智さんも」という見出しの記事である。

岐阜市内と岐阜城のある金華山を結ぶ「ぎふ金華山ロープウェー」は、19年ぶりのゴンドラ交換のため2月7日から運休していた。今回、運転再開をするに当たって、岐阜城ゆかりの武将と同じ名字の人に限って大人片道600円の乗車料金をただにするという。

見出しを見る限り、「織田」や「豊臣」「明智」という名字の人はそうそういないだろう、と思ったが、記事を読んでみると、無料の対象となる名字は全部で13個。前記のほかに「竹中」「佐藤」「伊賀」「稲葉」「長井」「神戸」「池田」「土岐」も対象だという。

確かに、いずれも岐阜城と関係のある武将達の名字だが、見出しの3名字とは違ってこちらはかなりの数がいる。

「佐藤」は全国最多で、「池田」も全国第二四位。この他、「竹中」は岐阜県ではベスト100に入っているほか、「神戸」も岐阜県には多い。

そんなに無料にしても大丈夫なのかな、とも思うが、「片道無料」というのがミソ。登った人は有料で降りてくるし、名字の違う同行者は正規料金を払うわけだから、これを機に大勢の人が訪れてくれれば採算は合うのだろう。

以前、箱根でも閣僚と同姓の人に対するサービスをしていたが、こういう“偶然によるお得感”を演出する企画は今後もありそうだ。
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