人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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多摩ニュータウンの結婚式

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2010/12/06 09:47

5日、久しぶりに結婚式に出席してきた。

式場は多摩ニュータウンのホテルで、京王と小田急の両多摩センター駅から立派なペデストリアンデッキで直結されている。この2つの駅、全く同じところにあるにもかかわらず、それぞれ「京王多摩センター」「小田急多摩センター」と別の駅名を名乗っている。

都心では逆に、同じ名前の駅ながらものすごく離れているところもあり、慣れない人にはわかりづらい。

ちなみに、「多摩センター」といいながら、そういう名前の建物があるわけではない。多摩ニュータウンのセンター地区という意味で、横浜市営地下鉄のセンター北駅やセンター南駅と同じ名付け方である。

さて、多摩市から八王子市東部にかけての地域は、多摩ニュータウンの開発によって開かれたところ、というイメージが強い。

実際そうなのだが、実はこのあたりは武蔵国多摩郡船木田荘という摂関家領の荘園があり、平安時代には武蔵七党のうちの横山党や西党といった武士団が割拠していた地域でもある。

この付近は丘陵地帯に谷が入りくんだ、いわゆる「谷戸(やと)」の多い地形で、こうした地形は中世武士の好む場所でもあった。現在ではニュータウンの中に埋没しているが、昔の小字をみると、「〜谷戸」や「〜沢」というものが多く、地名が当時の地形を髣髴させる。
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