人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

ハンカチ王子ドラフトへ

このエントリーをはてなブックマークに追加

2010/10/25 15:26

今週の28日、プロ野球のドラフト会議が行われる。

今年のドラフトは大学生が大豊作といわれ、98人の大学生がプロ志望届を提出してドラフト会議での指名を待っている。

4年前の夏の甲子園で優勝した早実の“ハンカチ王子”も早大の4年生となり、志望届を提出して指名を待つ。すでに1巡目指名を公言している球団もあり、何球団からの指名があるかが注目されている。

ところで、“ハンカチ王子”こと「さいとうゆうき」投手の名前が漢字で書けるだろうか。新聞や雑誌など、メディアでさんざん目にしてきたはずなのだが、「さいとう」も「ゆうき」もいろいろな書き方があるだけに、いざ書こうとすると悩む人が多いのではないだろうか。

「さいとうゆうき」投手は、漢字では「斎藤佑樹」と書く。高校野球の世界では、旧字体は原則として使用せず、新字体で登録される。従って、「斎藤」も「齋藤」も「斎藤」と表示されるのだが、早大でも「斎藤」として登録されているので、おそらく「斎藤佑樹」が正しいのだろう。

ただし、戸籍上は「齋藤」だが、あまりにも漢字が複雑なため、日常生活はすべて「斎藤」で通している、という人も多く、彼の名字の本当の漢字表記が「斎藤」なのか「齋藤」なのかは第三者にはわからない。そういう意味でも、「斎藤」と「齋藤」を厳密に区別するのはあまり意味がないといえる。

ちなみに「斉」と「斎」は新旧字体ではなく別の漢字なので、「斎藤」さんを「斉藤」と書くのは誤り。しかし、ルーツは全く同じで、「斎藤」「斉藤」「齋藤」「齊藤」という4つの名字に意味的な違いはない。
このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ