人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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宮根誠司キャスターの同姓同命を探せ

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2010/08/24 09:45

19日、大阪日帰りで「情報ライブ ミヤネ屋」に出演してきた。今人気の番組だが、平日昼間ということもあって見られない人も多いだろうから、重複を承知であえて書いてみたい。

今回の目玉は、宮根のキャスターの同姓同名をさがせ、という企画。しかし、「宮根」という名字は少なく、残念ながら放送日までにみつけることはできなかった。

さて、この「宮根」という名字は、全国の約三割が埼玉県の川越市付近に集中している。これだけ集中度が高いということは、ここが宮根姓発祥の地の一つであることは間違いない。

実は、最も「宮根」姓の多い鶴ヶ島市では、「もともとは神社の下に家があって「宮本」という名字だった」と伝えられている。江戸時代の終わりころに、「宮本」姓の偉い人が赴任してきたため、「宮本」という名字を憚って、同じ意味の「宮根」に変えたというのだ。

これは特に珍しいことでない。江戸時代には、偉い人と同じ名字を名乗れるのは、一族か特別に許された人だけ、というのは割と普通の感覚だった。従って、たまたま同じ名字の人が赴任してくると、もとからいた人の方が名字を変えるということは各地で見られる。

ところで、「ミヤネ屋」では、引き続き「宮根誠司」という同姓同名の人を探しているそうである。お心当たりの方は、同番組まで。
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