人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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いなかに帰って名字の由来を聞いてみよう

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2010/08/02 09:27

ここのところメディアの取材が相次いでいるが、先日は「朝日小学生新聞」からの取材があった。

こども向けの取材は難しい。というのも、名字の調査・研究は、日本史の延長戦上にあるからだ。たとえば、「佐藤姓は藤原氏の末裔」といっても、藤原氏を知らなければどうしようもない。そもそも、中学校で習う程度の日本史の知識はないと、名字について調べることは難しいのだ。

 小学生程度の歴史認識だと、説明はかなりあやふやなものになるし、歴史を習う前の児童には、もう何をどう説明すればいいのかはちょっと想像がつかない。もちろん、これに苦労するのは実際に記事を書く記者で、取材を受ける側は、言葉のいいまわしに注意するくらいで、それほどの苦労はない。

さて、今回の記事は8月上旬に掲載予定。日程がタイトな理由は、お盆に田舎に帰ってお爺さんに名字の由来をきくと、何か教えてくれるかもしれない、ということのようだ。

今や、江戸時代から農民でも名字を持っていたというのは常識。従って、地方の旧家では、名字の由来を伝えている家は珍しくない。こうした由来には誇張や修飾はつきものだが、そうした余分な飾りをはがしていくと、意外と本質を伝えていることが多いのも事実。

「ウソだと思うけど・・・」という前置きのもとに話してくれることも多いが、決してバカにしてはいけない。帰省する方は、ぜひ一度聞いてみてはいかがだろうか。
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