人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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オランダ人に多いvanてなに?

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2010/06/21 09:31

19日夜、W杯第2戦の日本−オランダ戦が行われた。優勝候補の一角であるオランダに敗れはしたものの、0−1と善戦。これでオランダは1次リーグを突破、勝ち点3のままの日本は、この日カメルーンを破ったデンマークと、最後のイスをかけて25日早朝(日本時間)に戦うことになった。

オランダとの試合を1点差に抑えたため、得失点差ではデンマークを1点リードしており、引き分けでも決勝トーナメントに進出することができる。

ところで、オランダのメンバーをみると、「ファン」という文字が目立つ。この日出場した選手にも、

・ファンデルウィール(Gregory VAN DER WIEL)
・ファンブロンクホルスト(Giovanni VAN BRONCKHORST)
・ファンボメル(Mark VAN BOMMEL)
・ファンペルシー(Robin VAN PERSIE)
・ファンデルファールト(Rafael VAN DER VAART)

と5人の「ファン」がいる(カタカナ表記は朝日新聞、英字表記は公式サイトによる)。

オランダ人の名字によくみられるvanは何を意味しているのだろうか。このvanは、英語のfromにあたり、後ろには居住していた場所や、出身地の地名が入る。なお、vanの後ろにderが来ることも多いが、これは定冠詞で英語のtheにあたるもの。

vanと似たようなものにドイツ人のvonがあるが、ドイツのvonが貴族を中心に使われているのに対し、オランダの場合はとくに貴族というわけではない。
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