人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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湯島と天神様

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2010/01/18 10:32

16日、湯島天神に高校受験の合格祈願に行ってきた。

センター試験の当日ということで、多少は人出は少なかったが、それでも、かなりの賑わいである。かけられた絵馬の数は何重にもなって数え切れないほど。天神様も、これだけの数の願いを聞き入れられるのかと不安になる。



数々の絵馬


湯島天神には行くのは始めてだったが、思ったより狭くて驚いた。有名な神社はそれなりに広い敷地を持っているものだが、やはり江戸の中でもあり境内も狭い。

湯島は、本郷台地の上にある。家康入部以前、江戸城は日比谷の入江に臨む海沿いで、本郷付近は「島」という地名でもわかるように、神田川と不忍池に挟まれた、島にように細長い台地だった。地名としては湯島の方が大きく、本郷とは「湯島郷の本郷(中心)」という意味だと思われる。

湯島天神は通称で、正式には湯島天満宮。ただし、同神社の公式サイトも「湯島天神」となっているように、一般的には「湯島天神」の方が通りがいい。縁起は古く、5世紀半ばの雄略天皇の時代に創建されたと伝える。



湯島天神


南北朝時代に菅原道真を合祀して天満宮となり、江戸時代には徳川家の崇敬を受ける一方、谷中感応寺(のち天王寺と改称)、目黒不動とともに、富くじの勧進元としても庶民に人気があった。

さて、湯島といえば、「湯島の白梅」も有名。1955年山本富士子と鶴田浩二の主で有名になった映画だが、その原作は新派でお馴染みの泉鏡花「婦系図」。まだ梅の季節には早いが、1本だけ花を咲かせている木があった。センター試験の当日に花を咲かせるあたり、さすが湯島天神の梅である。



湯島の白梅
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