人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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今年も日野町へ

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2009/10/27 14:22

昨年8月に講演で訪れた日野町に、今年も行ってきた。

昨年の講演は、日野町金持の公民館で行われたため、「金持党のルーツを探る」と題して講演したが、今年の会場は日野町文化センターで日野町全体を対象にしたため、タイトルも「日野の地名の由来と金持党のルーツを探る」となり、盛り沢山な内容になった。

講演の中でも触れたのだが、鳥取県南西部の日野郡は、古代には島根県の奥出雲地区と同じ文化圏だったはずだ。いわゆる、製鉄文化圏である。実際、日野郡では近年までたたら製鉄が行われていたのだ。

しかし、県をあげて奥出雲を売り出した島根県とは違い、鳥取県側ではそうした動きがなかったため、今ではたたら製鉄=島根県という図式ができあがっている。

そして、絲原家や桜井家、田部家といった奥出雲の豪家は著名だが、日野郡根雨の近藤家や黒坂の緒形家を知る人は少ない。行政区域と文化圏は必ず一致するとは限らない。

名字をみても、同県よりは隣県と同じ、という地域は結構多いのだ。地域文化を残すためには、行政を超えた連携が必要なのだろう。

ところで、今回は講演ともう一つ目的があった。それが、「金持党発祥之地」の記念碑の除幕式である。この記念碑、なんと私が碑文を書いたのだ。



「金持党発祥之地」記念碑 全体



「金持党発祥之地」記念碑 碑文


書籍や雑誌や、或いはネットに文章を寄せることは多々あるが、まさか自分の文章が石に彫られることになるとは思わなかった。子々孫々まで残る、と思うとなにやら面はゆい。
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