人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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根府川駅のこと

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2009/08/11 10:51

週末に、根府川に行ってきた。

根府川と言っても、神奈川県民でも知らない人が多い。小田原と湯河原の間にあり、近くにはリゾートホテルなどもあるのだが、根府川駅は東海道線唯一の無人駅であるなど、かなりローカル。

この根府川駅には有名なものが2つある。
1つが、その景色の素晴らしさ。この付近は山が海岸近くにまでせり出しており、根府川駅も崖に面して建てられている。駅舎は崖の上で、ホームは崖の下。そのため、4番線からは太平洋を見渡すことができ絶景だ。ただ、ホームの柵が高く、ホームからの撮影は難しい。

泊ったホテルは駅背後の山の上にあり、ここからは太平洋が一望のもとに見渡せる。水平線は湾曲しており、地球が円いことも実感できる。



相模湾の日の出


もう1つは、関東大震災での列車転落事故だ。
関東大震災は東京の直下型地震と思っている人も多いが、実は震源地は相模湾。震源地に近かった根府川では大きな被害が出ている。とくに駅付近では地滑りが発生、ちょうど駅に進入していた小田原発真鶴行の列車がホームごと土石流に流されて海中に転落した。

今の駅はその後に再建されたものだが、沖合いには今でも流されたホームが海底に沈んでいるという。そのため、現在の駅には1番ホームがなく、2番〜4番となっているのだ。


関東大震災殉難碑
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