人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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和歌山の最高峰を龍神岳と命名

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2009/03/09 09:41

このほど、和歌山県で一番高い山に、やっと名前がつけられた。

広大な原野が広がっているような国ならともかく、日本では地名のない場所などそうそうないだろう、と思われがちだが、実は山には名前のついていないところも多い。

そもそも、地名とは人との関りによってできるもの。日常生活を営む平地では細かく字名がつけられているが、生活と関わりのない山の場合、よほど形や高さが目立たない限り、特に山名はついていないことがある。

和歌山県では、長く護摩壇山(1372m)が県内の最高峰とされきた。ところが、登山者の指摘で国土地理院が調査したところ、700mほど離れたところにある無名の峰の方が10mほど高いことがわかり、最高峰が移動したのだ。しかし、この山は護摩壇山の近くの頂という程度の認識しかなかったため名前がなく、県内の学校でも「県内一高い山は名なし」という中途半端な状態が続いていた。

そこで、命名権を持つ地元田辺市が名称を全国から募集、一番多かった「龍神岳」を正式名称として採用することに決めたものだ。「龍神」というと、取ってつけたような名前のようにも聞こえるが、実はこの付近が平成の大合併前までは旧龍神村であったことにちなむもので、極めて妥当な命名となった。

この名称は近く国土地理院の地図にも掲載される予定という。
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