人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

麻生新内閣とニューエスタブリッシュメント

2008/09/29 10:49

2代続けての総理の突然の辞任により、麻生新内閣が誕生した。
「麻生」という名字については以前このブログにも書いたので、今回は書かないが、内閣の顔ぶれを見ると、エスタブリッシュメント出身者が目立つ。

総理大臣の麻生太郎は、祖父と岳父が総理大臣。いずれも女系の祖に首相がいるという典型的な閨閥政治家である。ナンバー2の鳩山邦夫総務大臣は、和夫−一郎−威一郎−邦夫と続く4代目で、やはり祖父が総理大臣。森英介法相も森コンツェルン創始者の孫で、父と2人の伯父が衆院議員だった。

当初任命された18人の閣僚のうち、13人はいわゆる“2世議員”だ。一般的には2世といわれていない、佐藤勉国家公安委員長も祖父・父と続く県議の3代目から国政に転じたもの。二階俊博経産相も父は和歌山県議だった。

さらに、辞任した中山成彬国交相の後任となった金子一平議員の父も金子一平元大蔵相で、これで“2世議員”は一人増えて14人。与謝野薫経済財政相は、政治家の2世ではないものの、与謝野鉄幹・晶子をはじめ、華麗なる一族の出身である。

また、麻生総理を始め、鳩山総務相、中曽根弘文外相、小渕優子少子化担当相と、総理大臣の子どもや孫が4人も入閣しているのは史上初なのではないだろうか。

江戸時代の日本は封建制度で、将軍の息子は将軍に、藩主の息子は藩主になった。明治維新で封建制は崩れたが、明治政府の高官達は、新たに「華族」という制度を創設して、大名や公家、大藩の家老といった旧制度のトップに、維新の元勲や軍人などを合わせた新しい支配階級をつくりあげた。

第二次対戦後華族は廃止され、平等な世の中になったはずだったのだが、戦後頭角を現した政治家達は、旧体制の一部とともにしっかりと閨閥をくみあげ、“新華族階級”をうみ出しているといえる。