人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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岡山市の区名が決定

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2008/06/23 10:59

10日、岡山市で行政区画等審議会が開催され、来年4月の政令指定都市移行の際に設ける4行政区の名称が決まった。

新しくできる4区の名称は、なんと「北区」「中区」「東区」「南区」。別に突飛な名前ではなく、すべて他の政令指定都市にも存在している。しかし、行政区すべてが方角のみ、というのは全国で初めてだ。

4区とも、市民の意向調査で最も多かった案が採用されており、審議会でも全会一致。民意はきっちりと反映しており、審議会の手続きなどにも全く問題ない。市長も審議会の意向を尊重し、そのまま正式に決定される見込みだ。

しかし、市民の意向調査では、特定の地名を冠した区名は不可、あらかじめ釘を刺している。区名に地名を採用しないのであれば、そもそも方角くらいしかつけようがない。中には岡山城の別名から「烏城区」といった工夫をこらした案もあったようだが上位には入らなかった。こうした特別な名称は、市の方であらかじめ案を用意しておく必要がある。

同じ政令指定都市でも、仙台市では市の中心部を含む区を「青葉区」とした。また、横浜市では分区によりできた新しい区名に、消滅していた郡の名前を復活させて「都筑区」として、評価を得ている。

古代から、地名が政治から逃れることはできないのは事実。しかし、安易な多数決だけが政治ではない、と思うのだが、どうだろうか。
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