人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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ご先祖探し手伝います

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2008/03/17 09:52

今年の始めに、このブログで徳島大学附属図書館が徳島藩士の系譜をデータベース化してネット上にアップしたという記事を書いた。画期的な試みだと思っていたら、こんどは佐賀新聞で「ご先祖探し手伝います」という記事をみつけた。

この記事によると、同県の鹿島市立図書館で、1996年に入手した「肥前国鹿島藩緒士系譜集」をもとにして、先祖探しのサービスを実施しているという。

鹿島藩は、佐賀藩の藩祖鍋島直茂の二男忠茂が、1609年に分知されて肥前鹿島藩を興した。以来、佐賀藩の支藩として2万石を領し、同じ支藩の小城藩、蓮池藩ともに本家を支えた。

「肥前国鹿島藩緒士系譜集」は、江戸時代後期から幕末にかけて作成されてもので、鹿島藩の武士約300家の系譜が収録されている。同藩の武士の末裔であれば、名字・住所・家紋などから先祖を特定でき、その系譜を提供できるという。

図書館とは、ただ資料を保存するだけのところではない。同館では、せっかくいい資料を購入したものの利用が少ないことから、積極的に広報活動をして利用の拡大を呼びかけている。

近年は、学術論文などは、全文をネット上に掲載し、Open URLを用いて目録データベースとの連携をはかるなど、1次情報のネット公開が盛んになってきている。こうした歴史的に重要な資料も、できればPDF化してサイトに掲載するなどの方向に進んでほしい。
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