人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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新参院議員の名字

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2007/07/31 16:35

29日の参院議員選挙では、自民党が37議席という大敗を喫して初めて参院第1党の座を明け渡した。代わりに民主党が60議席という史上初の大勝で第1党となり、今後の政局が注目されている。

さて、政治的なことはさておき、今回当選した議員達の名字をみてみよう。121人の新議員のうち、一番珍しい名字がなんだかわかるだろうか。

この121人の中には、かなり稀少な名字の新議員が5人いる。

まずは共産党比例区の紙智子議員。「紙」という即物的な名字は珍しい。北海道と富山県にある名字で、紙議員も北海道の出身。名字のルーツは富山だろう。富山はこうした即物的な名字の多い地域である。

舛添要一議員の「舛添」も珍しい。聞き慣れているためあまり違和感はないが、全国で100軒もなく、福岡県遠賀町周辺に集中している。舛添議員もこのあたりの出身だったはず。
“ヤンキー先生”こと、自民党比例区・義家弘介議員の「義家」も稀少。こちらは長野市の名字で、全国で60〜70軒くらいか。

これらよりもさらに少ないのが、社民党幹事長の又市征治議員。富山県や栃木県などにわずかだけある名字で、又市議員は富山の出身。

さて、一番稀少ない名字は、首相補佐官で、数少ない自民党の1人区での当選者でもある世耕弘成議員。「世耕」という名字は、紀伊半島と東京に20軒弱しかなく、どちらかというと東京に多い。世耕家は政治家一族として知られており、東京の世耕家は、熊野から出て来て活躍しているものだろう。

ここにあげた5人の名字、いずれもかなりの稀少姓なのだが、マスコミに登場する人も多いため、ばっと見では、そんなに珍しいという感じがしない。やはり、珍しいかどうかは、かなり主観的な部分が多いといえる。
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