人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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アホネン選手のこと

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2006/02/20 09:29

 18日に行われた、トリノ五輪ジャンプのラージヒルはオーストリアの19歳の新鋭・モルゲンシュテルンが2回目に大ジャンプをみせて逆転優勝した。直前の大ジャンプでプレッシャーのかかった中、最後に飛んだ同じオーストリアのコフラーもモルゲンシュタインに劣らぬ大ジャンプをみせたが、着地が乱れてわずか0.1ポイント差で2位。このコフラーも21歳で、若きオーストリアコンビが圧倒的な強さで金銀を独占した。王者ゴルトベルガーが引退しても、オーストリアの強さは変わらない。
 一方日本勢は、大ベテラン原田をはずして臨んだものの、結局はベテラン岡部が日本人トップで8位。続いてやはりベテランの葛西が12位で、他競技と同じく、長野以来のメンバーがいまだに第一線のままである。
別に、ベテランが頑張っているのは日本ばかりではない。岡部に続いて9位に入ったのは、リレハンメル五輪にも出ていたフィンランドのアホネン選手であった。アホネン選手は実力も一流だが、長野五輪ではその名前も話題になっていた。
 フィンランドは名字の種類が大変多い国として知られている。人口がわずかに500万人ほどしかないため、名字の種類は数万種だが、人口比でいえば日本よりも遥かに多く、おそらく世界一。しかも、その名字には特徴があり、「〜ネン」で終わるものが圧倒的に多い。かつて、天才ジャンパーとして世界に君臨したニッカネン選手も最後が「ネン」で終わっている。3月で任期の切れる現在の大統領もタルヤ・ハロネンだ。北欧に多い、「〜セン」や「〜ソン」は、「誰々の息子」という意味(英語のson)だが、フィンランドの「ネン」は「人」という意味だという。
 アホネン選手は1998年のW杯では総合優勝。前後合わせて3年連続3位以内という好成績を持続したにもかかわらず、五輪では団体の銀のみで個人で表彰台にたったことはない。そういえば、前回のソルトレークシティ五輪でも、スイスの20歳の新鋭、シモン・アマン選手がノーマルヒル・ラージヒルの2冠を達成した。五輪のジャンプ競技でメダル獲得に必要なのは、技よりも勢い、ということだろうか
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