徹底図解 電子回路

発売日 2010.12.22
著者 杉本泰博
判型 A5版/並製
ページ数 336
ISBN 978-4-534-04775-5
価格 ¥2,310(税込)

電子回路は電気を信号として用い、情報の伝達や処理をするための回路。本書は電子部品の性質や特徴、電子部品を組み合わせた電子回路の基礎や応用について、多くの図で詳解。読者対象は初学者から電気・電子専攻の学生、電気関係従事者・試験受験者まで。

≪章立て≫
第1章 電気の基本
第2章 電子回路の基礎知識
第3章 ダイオードとトランジスタ
第4章 ノイズとアース
第5章 アナログ応用回路の設計
第6章 デジタル回路の基礎
第7章 デジタル回路の応用
第8章 PLDとデジタル応用回路の設計

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詳細

アナログ回路

 第1章 電気の基本

  1 電界と磁界

   電界 22

   磁界 24

  2 起電力と電圧、電流

   起電力 28

   直流と交流 30

  3 周波数

   波長=1秒間に信号が進む距離/周波数(振動数) 34

 第2章 電子回路の基礎知識

  1 オームの法則

   導体に流れる電流は電圧に比例し、抵抗に反比例 40

   直列接続の合成抵抗 41

   並列接続の合成抵抗 43

   分圧回路 44

   分流回路 45

  2 キルヒホフの法則

   キルヒホフの電流則(=KCL) 47

   キルヒホフの電圧則(=KVL) 48

  3 コンデンサの直列接続・並列接続

   コンデンサの直並列の合成容量 49

  4 コイルの直列接続・並列接続

   コイルの直並列の合成インダクタンス 53

  5 RLCのインピーダンス

   コンデンサとインダクタのインピーダンス 57

  6 コンダクタンス

   アドミタンスYはインピーダンスZの逆数 59

  7 共振回路

   並列共振と直列共振 60

  8 フレミングの法則

   右手の法則と左手の法則 64

  9 等価回路

   現象が計算で求められる等価な回路 67

  10 利得(電圧利得、電流利得、電力利得)

   増幅器の電圧利得、電流利得、電力利得 69

  11 S/N比

   S/N比は信号の電力Sと雑音の電力Nの比 71

 第3章 ダイオードとトランジスタ

  1 ダイオード

   シリコンpn接合ダイオードの構造 74

  2 ダイオードの動作

   ダイオードの電圧電流特性と温度特性 79

  3 半波整流回路

   交流信号の半分のエネルギーで直流に変換する回路 81

  4 全波整流回路

   半波整流回路の2倍の負荷駆動能力が得られる 83

  5 その他のダイオード

   発光ダイオード 87

   ツェナーダイオード 88

   バリキャップ(可変容量ダイオード) 89

  6 ダイオードの応用

   電源アダプターの回路 91

   定電圧回路 92

  7 バリキャップを使った同調回路

   バリキャップの応用回路 93

  8 トランジスタの特性

   入力端子と出力端子について2つの要件を必要とする 95

  9 トランジスタの実現

   NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタ 97

  10 トランジスタの構造

   IC上でのMOSトランジスタの構造 101

  11 MOSトランジスタの特性

   MOSトランジスタの回路記号 103

   NMOSトランジスタの特性と測定した回路の特性 104

   NMOSトランジスタの線形領域と飽和領域 106

  12 その他のトランジスタ

   バイポーラトランジスタ 111

   JFET 114

  13 トランジスタの応用回路

   電圧と電力を増幅する回路 117

   シングル回路とプッシュプル回路 118

   スイッチ回路 119

   モータを駆動する回路 121

   電圧増幅器および電力増幅器の動作点 122

   バイアス電圧発生回路 125

   MOSトランジスタの特性と温度変化 127

  14 演算増幅器(オペアンプ:OPAMP)

   オペアンプとは 130

  15 反転増幅器の動作

   オペアンプを使えば、簡単にいろいろな機能を取りつけられる 133

  16 非反転増幅器の動作

   反転では信号波形が逆に、非反転ではそのままの形になる 135

  17 コンパレータの動作

   コンパレータは出力端子に「判定信号」を出力する 137

  18 加算減算

   オペアンプを使って加算や減算を行う 139

  19 微分積分

   コンデンサで微分・積分を行う 142

  20 フィルタ回路

   フィルタは周波数選択特性を示す 146

  21 帰還回路の有効性と設計

   複合回路のメリットは利得が大きく変わらないこと 149

  22 サイリスタ素子

   ダイオードがオンとなる期間を制御できる 152

 第4章 ノイズとアース

  1 ノイズ

   ノイズを詳しく知ろう 156

   コモンモード、ノーマルモードとは 156

   コモンモード電流の阻止 158

  2 「差動伝送」と「より線対」

   より線対はノイズに強い 160

  3 サージ破壊、静電破壊

   回路の破壊を防ぐために保護ダイオードや抵抗を設置する 162

  4 バイパスコンデンサ(パスコン)

   ノイズを防ぐためにパスコンを接続する 165

  5 di/dtノイズ

   大きな過渡電流が流れるとdi/dtノイズ(電圧変動)が発生する 168

  6 素子のノイズ

   抵抗体内部の熱運動によって起きる熱雑音(サーマルノイズ) 170

   MOSトランジスタが発生する雑音の周波数特性 171

  7 NF(ノイズフィギュアー)

   雑音指数(F)は回路の雑音を調べる指標 176

  8 共通インピーダンスと1点アース

   共通に接続される回路とアース 178

  9 グラウンドライン、電源ラインの抵抗

   抵抗があると電圧降下を生じて回路に影響する 181

 第5章 アナログ応用回路の設計

  1 降圧型DC-DCコンバータ

   スイッチング電源回路を設計してみる 184

   降圧型DC-DCコンバータの用途 184

  2 降圧型DC-DCコンバータの動作原理

   降圧型DC-DCコンバータのスイッチング技術の原理 188

   S1がオンの場合の動作 188

   S2がオンの場合の動作 190

   出力電圧の決定 191

  3 降圧型DC-DCコンバータの構成

   2つの負帰還ループで出力を安定化する 192

  4 電流帰還ループとスロープ補償

   スロープ補償が必要な理由 196

  5 誤差増幅器とその周波数特性

   誤差増幅器の回路の構成 199

   DC-DCコンバータの安定性を確保する誤差増幅器部を構成 200

  6 電流検出回路とスロープ補償回路

   インダクタ電流を検出する回路 204

   スロープ電流を発生させる回路 206

  7 PWM比較器(コンパレータ)

   折り返しカスコード回路は高速特性に優れている 209

  8 発振回路

   発振器には弛緩発振回路が用いられる 211

  9 参照電圧源

   出力電圧がいかなる時にも変化しない参照電源回路 214

  10 電流モード降圧型DC-DCコンバータIC

   設計した回路のチップ写真 219

デジタル回路

 第6章 デジタル回路の基礎

  1 ブール代数

   デジタル回路を構成する 222

   3種の基本論理回路 222

   NOT回路 224

   AND回路 225

   OR回路 226

  2 ブール代数の定理

   ブール代数の10種の定理 227

  3 論理回路O=ABC+ABC+ABC+ABCを構成

   論理式、ブール代数、論理回路 229

   1 真理値表が与えられる 229

   2 論理式で表す 229

   3 論理式をブール代数によって変形する 230

   4 簡単になった論理式で回路を実現する 231

  4 NAND回路、NOR回路、EXOR回路

   実際に用いる回路は4つある 232

   NOT回路 233

   NAND回路 236

   NOR回路 237

   EXOR回路 237

  5 2進数、10進数、16進数、BCD

   数のかぞえ方 239

   10進数 239

   2進数 240

   16進数 241

   BCD(Binary Coded Decimal) 242

  6 補数

   補数表現 244

   負の数の2進数表現 246

   2進数の加減算 247

 第7章 デジタル回路の応用

  1 応用論理回路

   デジタル基本機能回路を概観する 250

   エンコーダとデコーダ 250

  2 マルチプレクサとデマルチプレクサ

   マルチプレクサは複数の入力を選択するロジック回路 254

   デマルチプレクサは複数の出力に分配するロジック回路 256

   多重入出力のマルチプレクサ、デマルチプレクサの構成 258

  3 フリップフロップ

   インバータが2段環状に接続された双安定状態の回路 260

  4 SRフリップフロップ

   入出力の状態を特定する回路 263

  5 JKフリップフロップ 

   同時入力を解消する回路 266

  6 マスタースレーブ型JKフリップフロップ

   クロック(CLK)の1周期に同期して動作する回路 269

  7 Tフリップフロップ

   入力の度に出力が変化する回路 272

  8 Dフリップフロップ

   クロックに同期して出力の状態を変える回路 274

  9 3進カウンタ

   カウンタはクロックの分周や数をかぞえ終わったという信号を出す回路 276

   マスタースレーブ型JKフリップフロップを用いた3進カウンタ 276

  10 4進カウンタ(1/4分周器)

   1/4の周波数に分周して出力する回路 278

  11 5進カウンタ

   5つのクロック毎に論理1となる回路 280

  12 10進カウンタ

   2進と5進のカウンタを従属に接続する回路 282

  13 シフトレジスタ

   データの記憶、データの遅延、データの直並列変換などの機能がある 283

   シリアルイン・シリアルアウト方式シフトレジスタ 283

  14 パラレルイン・パラレルアウト方式シフトレジスタ

   複数のパラレルデータを遅延させて同時に出力させる回路 286

  15 TTL ICとCMOS IC

   ロジックには大規模なLSIと標準ロジックがある 287

  16 TTL ICのインタフェースレベル

   ロジックICの入出力レベルと電圧値を対応させた規格 288

   CMOS ICのインタフェースレベル  288

 第8章 PLDとデジタル応用回路の設計

  1 アナログ・デジタル(A-D)変換器におけるロジック回路

   パイプライン型アナログ・デジタル変換器の補正回路を設計してみる 292

   A-D変換器の動作原理 292

  2 パイプライン形A-D変換器

   高速で高精度のA-D変換器 296

  3 ビットブロック回路の入・出力特性

   入力信号の大きさがフルスケールの1/2以上または未満の時でかわる 300

  4 デジタルコレクション回路

   比較器特性のばらつきの影響を軽減する回路 303

  5 CPLD

   現場でプログラム可能なロジックICの設計フロー 307

  6 CPLDの構造

   I/Oセルや論理ロジックなどで構成される 309

  7 CPLDを動作させる

   論理回路を入力する 314

  8 プログラムが完成

   プログラムをもとに回路を合成し、CPLDに情報を書き込む 316

  9 論理シミュレーション

   HDLプログラムでシミュレーションを行う 317

  10評価

   プログラムをCPLDに書き込むとCPLDが動作する 319

  11 A-D変換器比較器の出力信号波形

   A-D変換器の比較器出力が順に表れる 321

  12 CPLD出力波形

   A-D変換器の最終的なデジタルデータの波形 322

  13 まとめ

   CPLDは気軽に試せるデジタル回路 324

著者プロフィール

杉本泰博

すぎもと・やすひろ
中央大学理工学部電気電子情報通信工学科教授。工学博士、技術士(電気電子部門)。1973年東京工業大学工学部電気工学科卒業。1980年米国ミシガン大学工学研究科CAD専攻修了。現在、大学教授として電子回路、集積回路を教えるとともに、技術士として企業などの技術者教育に従事する。現在、高速・高精度AD/DA変換器、パワーシステムの回路技術、高周波およびエネルギー伝送システムおよび回路技術を研究テーマとして研究・教育を推進中である。著書に『理工系のための解く! 電子回路』(講談社)『よくわかるアナログ電子回路』(オーム社)『電子回路の講義と演習』(共著、日新出版)がある。

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