結果を出し続けるために

発売日 2010.11.25
著者 羽生善治
判型 四六判/並製
ページ数 216
ISBN 978-4-534-04778-6
価格 ¥1,320(税込)

25歳で史上初の七冠達成以降も、40歳を迎えた現在、19年連続王座、永世六冠の自在の棋士・羽生善治名人が明かす、結果を出し続けるために大切な3つのこと。「決断プロセス」「不調の見分け方」をはじめ、何度でも立ち返りたい仕事と人生のヒント。

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はじめに

第一章 努力を結果に結びつけるために

 対局中の九割は不利な状況を考えている 16

 勝負で大切なこと 19

 不調も三年続けば実力 24

 不調の見分け方 26

 技術以上に、わずかな気持ちが大きな差を生む 29

 うまくいかないときは他力思考 32

 速い球は力で打ち返さない 34

 誰だって報われない努力はしたくない 37

 「もうひと息」の努力が結果につながる 40

第二章 ツキと運にとらわれずに、最善を選択する

 ツキや運、流れ、バイオリズムは変化し続ける 44

 ツキや運に一喜一憂しない 47

 次の一手の決断プロセス(直感・読み・大局観) 48

 ・直感 ~80通りの手から、カメラのピントを合わせるように2~3の可能性に絞り込む~ 49

 ・読み ~次の手をシミュレーションする~ 52

 ・大局観 ~全体的な方向性や方針をつかむ~ 55

 大局観では「終わりの局面」をイメージする 58

 最後は玲瓏な状態で主観に頼る 60

 見切りこそ決断 62

 多くの選択肢は後悔しやすい 64

 データからの判断と野生の勘を組み合わせる 67

 知識を知恵に高めるには自分の頭で考えるしかない 70

 羅針盤が効かない状況が感性を磨く 73

第三章 120%の能力を出し切る、プレッシャーとの付き合い方

 最高のパフォーマンスはリラックス・楽しむ・集中から 78

 プレッシャーがかかっているときは八合目まで来ている 80

 プレッシャーがかかるほうが集中力、能力を発揮できる 84

 プレッシャーへの耐性は、まず自分の性格を知ることから 87

 集中するためには、刺激を遮断する時間を作る 89

 気分や体調の浮き沈みがあるのが前提だと考える 92

 起こった感情には、ワンクッション変換を入れて対処する 94

 結果は100%受け止めてから次に進む 97

 心の状態は指し手に表われる 99

 結果が表に出ないのは、力を蓄積している状態 102

 結果よりも大事なのは自分にとっての価値 105

 考え方は常に変化、進化する 107

第四章 結果を出し続けるには、ミスへの対応が鍵になる

 ミスをしない対局は一年に一回くらい 110

 大きなミス、盲点に入ったミスはすぐに忘れること 113

 ミスをしたときの五つの対処法 115

 反省はしても後悔はしない 119

 不利になってもギャンブルはしない 121

 ミスがミスを呼ぶ二つの原因 124

 ミスを減らすには自分のミスの傾向を知る 127

 苦手なものはずっとついて回ってくる 130

 覚悟を持ってリスクを取る 132

 意図的にアクセルを踏み、適切なリスクを取る 134 

 保守的な選択は10年後に最もリスクが高い 136 

 無謀ではないリスクの取り方 138

 年代ごとの強みを理解する 143

第五章 自ら変化を生み出し、流れに乗っていくために

 コツがわからないものほど面白い 148

 真剣に打ち込むことでしか見えない道 151

 一人だけで強くなったわけではない 153

 流れを見極める 156

 人は、普通に続けられることしか続かない 158

 アイデアは距離を置いたときに生まれる 160

 本質は価値にこそある 164

 充実感は環境に左右される 166

 不確実性を楽しむ 168

 選択が道を決める 172

 常に時代の先を歩いていた升田幸三先生 175

 グローバル化しても本質は見失わない 178

 一人ひとりの影響力は想像以上に大きい 182

 世界は「六次の隔たり」でつながっている 184

 変化が激しい時代の実力の磨き方 189

 情報や知識は自分で料理してこそ価値がある 191

 才能とモチベーション 193

 現在進行形の充実感 195

 「成功」とは、自分のやりたいことと周囲の期待とが一致すること 199

 期待と誤解は紙一重 203

 気持ちこそ鍵 207

おわりに

著者プロフィール

羽生善治

はぶ・よしはる
1970年埼玉県所沢市生まれの八王子育ち。6歳のときに将棋を覚え、1982年の小学生将棋名人戦で優勝。二上達也九段に入門し、プロ棋士養成機関の奨励会に入会。6級から4段までを3年間でスピード通過する。
1985年四段に昇段、史上3人目の中学生プロ棋士となる。デビュー直後の1986年度に、全棋士中で1位となる勝率(0.741)を記録し、将棋大賞の新人賞を受賞。1988年度のNHK杯戦で、大山康晴、加藤一二三、谷川浩司(準決勝)、中原誠(決勝)と、4人の名人経験者を立て続けに下して優勝。1989年初タイトルの竜王位を獲得(当時、史上最年少の記録)。1994年9段に昇段。1996年王将位を獲得し「七大タイトル」すべてを独占、史上初の七冠王となる。2007年12月20日、最年少、最速、最高勝率で史上8人目の通算1000勝(特別将棋栄誉賞)を達成。2009年4月1日現在、全7タイトル戦のうち6つで永世称号の資格を保持(永世名人(十九世名人)・永世棋聖・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世王将)。多くの戦法を指しこなす、自他共に認めるオールラウンドプレイヤー。著書に、「羽生の頭脳」シリーズ(日本将棋連盟)、『決断力』(角川書店)等多数。

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