日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2015/03/31 09:53
小野妹子ののち、小野一族は奈良時代以降官僚として朝廷に仕えた。それほど有力な一族というわけでなはいが、一族からは、小野小町の他、歌人の小野篁、書家として知られた小野道風など、有名人を多数出している。
小野道風神社
平安時代になると、公家は藤原氏を筆頭に源氏や平氏、菅原氏などで占められ、小野一族からは一家も公家を出すことはできなかった。そのため、小野一族は地方官僚となって地方に降り、そのまま土着して武士化したものも多い。
こうした武家となった小野氏の末裔で有名なのが、関東に下った小野氏である。平安時代、小野孝泰は武蔵守となって関東に下り、その子義孝は武蔵国多摩郡横山(東京都八王子市)に住んで横山氏を名乗った。また、孫の時範は武蔵国児玉郡猪俣(埼玉県児玉郡美里町猪俣)に住んで猪俣氏を名乗っている。
そして、この2人の子孫は、横山党、猪俣党という同族武士団を形成し、ともに武蔵七党とよばれる関東西部に広がった有力武士団の1つに数えられている。
加賀藩家老の横山家や、酒田の豪商本間家は横山党の末裔、杉並区の地名の由来となった杉並木を植えた旗本の岡部家は猪俣党の末裔である。
なお、小野神社の近くにある唐臼山古墳は、小野妹子の墓と伝えている。
唐臼山古墳