人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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天満宮と太宰府の書き方

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2015/02/16 09:11

先週書いた福岡でのテレビの収録は意外と早く終わったので、収録後、テレビ局から近い福岡市博物館で国宝の金印をみたが、そのまま飛行機でトンボ帰りするのももったない。そこで、局に用意してもらった福岡市内のホテルで1泊して梅が咲き始めた太宰府天満宮によってみた。



太宰府天満宮


朝早く訪れたことと雨が降っていたことから境内は空いていたが、菅原道真が「東風吹かば〜」と詠んだ飛梅はほぼ満開で、雨の上がった昼近くには多くの観光客が訪れていた。





天満宮の飛梅


ところで、「だざいふ」には「太宰府」と「大宰府」という2つの書き方があることをご存じだろうか。

古くは、点のない「大宰府」と書かれていた。「大宰」とは古代に天皇の命を受けて行政を行うところだが、やがて廃止され、大宰府のおかれた場所が「大宰府」という地名として残った。

ところが、中世になると点の付いた「太宰府」と書かれたものが増え、江戸時代以降は「太宰府」が主流となっている。なぜ「点」が入ったかは不明だが、現在では地名としては太宰府市と書くのが正式となっている。

今日では、古代の役所名としては「大宰府」、福岡県の地名としては「太宰府」と書きわけるのが一般的である。
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